スギライト


六月三日。
今日が何の日なのか。
解る人はきっと少ない。

それは国家体制での
休日や行事が有る日じゃなくて
俺個人の、大切な日だから。



『退〜?ボーッとしてるけど、どうしたん?』


「え?あ、うん。何でも無いよ?」


『本間にぃ〜?』



普段なら中々入らない
高級レストラン。

案内された窓際のテーブル、
向かいに座るなまえ。

俺の態度を心配してか
少し表情を曇らせる。



「大丈夫だから!!」



緊張を悟られないように
早く食べるよう急かすと
なまえは再び口を動かし始めた。



『でも本間美味しいわぁ〜。こんな料理、しかもめっちゃ綺麗な夜景見ながら退と食べれるなんて、幸せ過ぎて怖いわ!!』



笑顔でそう言うなまえ。

なまえは大阪の警察署から
真選組へと移動して来た。



『何で大阪離れなアカンのよ!!もう、絶対標準語とか喋らんし、染まったらへんからなぁ〜ッ!!』



移動した初日の挨拶で
俺達に絶大なインパクトを与えた。

どこか取っ付き難い雰囲気が
彼女の周りを纏っていたが
一度話せば何て事はない。
ただ大阪が好きな
面白くて快活な普通の女の子。

容姿、頭脳、器量、戦闘能力
その全てに置いて
彼女は完璧だった。

それに加えて
彼女の八面玲瓏な性格は
隊士達から慕われていた。



『これめっちゃ美味しいッ!!退、早よ食べてみてッ!!』



白いお皿に乗せられた
ふわふわしたケーキ。


Abricotine-アブリコッティーヌ-


アプリコットジャムを塗った
シンプルなケーキで、
一口食べれば程よい酸味と
厭味にならない程度の甘さが
口の中で中和して、
普通の洋菓子店で買うケーキと
又違った味わいがした。



「ほんとだッ!!美味しい!!」


『せやろせやろ〜!?ホンマこんなん食べれてんから、もう死んでもええわ〜((泪』


「なまえは大袈裟だなぁ〜。」


『全然大袈裟ちゃうわぁ!!ホンマに死んでもええわって位感動してんねんからッ!!』



真剣な口調で
そう言うなまえが可愛くて
つい口元が緩んでしまう。


美味しそうに大事そうに
一口一口味わいながら食べる姿を
このままずっと見ていたい。
俺はそう思った。


そんな俺の視線に気付いたのか
胸元に備えられたナプキンで
口元の汚れを拭い俺に問い掛けた。



『そーやん。退、話って何なん?』


「あ、うん。えっと…・・」


『ん?どないしたん?』



まさかそんな唐突に
話を振られるなんて
思って無かった俺は
何とも決まりの悪い返事をして
ポケットに忍ばせた箱を触る。



『…………?』



澄んだ少し茶色掛かった双眼が
俺の一挙一動を見ている。

手には欝すらと
冷汗のような物が滲み出ていた。



「あーっと…・・その…・・」


『だからどないしたんな?ハッキリ言わんな、解らんやん?』


「これッ!!」


『……え?』



勢い良く小箱を差し出すと
なまえは少し戸惑った様子だった。



『何これ?』


「今日、誕生日だって聞いたから。」


『プレゼントくれんの?』


「気に入って貰えるかどうか解らないんだけど。」



有難う。
笑顔でそう言って小箱を手に取り
丁寧に丁寧に包装紙を開ける。

その指先が動く度
俺の心音は速くなる。



『めっちゃ綺麗…・・』



箱に入っていたのは
紫色をした石が誂えてある
シンプルなピアス。



『ホンマに綺麗…・・これ何て云う石なん?』


「スギライト。ルブライトとも言うんだって。綺麗だろ?これ見た時、絶対なまえに似合うって思って買ったんだ。」


『めっちゃ嬉しい!!でも何で?』


「スギライトの意味知ってる?」



首を左右に振る。
俺は席を立ち、なまえに近付いた。

そして戸惑うなまえを余所に
顔を耳元へ寄せた。




























Happy Birthday.
俺、なまえが好きなんだ。













Happy Birthday dear みむ姉様

I present it
  with all love for you.





御題;緋 桜 の 輝 き 、







菜々ちゃんに頂いた、お誕生日祝い夢(>_<。)

もうっ!!!こんなサプライズ、嬉しすぎて泣いちゃうんだからッ。
菜々ちゃんにはいつもたっぷり構って貰って、関西弁同士で語り合って。それだけですごい幸せなのに…

ほんまにありがとね〜。今度は是非、朝まで飲み明かそうぜィ。リアルでww

本当にありがと〜\(^o^)/
読んで下さった方、感想は是非菜々さまへ直接どうぞ!!
2009.06.03 mims
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