キミノコトヲ、


「もうカカシなんて知らない!」

ご機嫌を損ねた彼女の口から出た言葉は、いつも以上に棘にまみれて、心にずくりと突き刺さった。
いつもなら《ほらほら、落ち着いてよ》なんてへらへらした顔を造るんだけど、今日は状況が状況だし、俺の気分も芳しくない。

「いーよ、知らなくて」

俺が静かに呟けば、彼女の目は洪水になる、寸前状態。
ちょっとイジワルしてやろうか、と考えたのは実は言い訳で、本当はそんな余裕なんかなかったりする。

「かっ…カカシは自分が思ってる以上にちやほやされてるんだからっ!それで鼻の下のばしちゃって。呆れる!」

顔が真っ赤だ。泣きそうな、震えた声も、染まった顔も、やっぱり愛しい。

俺は別に、他人から好かれようとか、特に気にしてない(ただキミの心さえ、ここにあればそれでいいのに)。
それさえ分かってもらえてないのか…なんて考えたら悲しくなってくる。

「カ…シは…カカシはっ!わたしのなんだからっ」

とうとう彼女の洪水が零れた。もう少し待ちたかったけれど、実はそんな余裕もなかったりする。

息が詰まり、意地を張って顔を俯かせるのは、多少の後悔の合図。

ふわりと包み込んだ彼女はか細く、華奢で、いつもより少しだけ小さい気がする。
ベストに鼻水を付けられたらどうしよう、とか、ふと考えたけど、そんなことはどうでもよくなって強く強く抱きしめた。

彼女のシャンプーの匂いが、俺の鼻と薄い理性をくすぐった。

泣き止まない彼女を抱えて、ベッドの上にふわりと置いた。優しく、優しく。

「そんなに自分のだーって言うんなら、いっそ首輪つけてよ」

押し倒した形のまま、彼女の手を俺の首筋に誘う。

「ばかっ」

照れくさそうに(まだ意地を張ってる)、彼女はその形の良い唇を俺の首筋に寄せた。

ささやかな快感が走り、そこにできたのは[しるし]。
俺が彼女のものであるという、宣言、というか、いわゆる見せびらかしたいヤツだ。


女の子は可愛いけれど、やたら面倒なのが欠点だ。
我が儘を言って男を困らせたりだとか、理不尽なことを言って男に不愉快な思いをさせる。
もちろん女という分類に分けられる以上、彼女もその面倒をかけるわけだが、どうにも彼女の面倒は、俺の中で愛しさに変換させられているようだ。

「姫からのお許しが出たところで、襲っていい?この体勢なかなかなんだよね」

思わず本音が顔に出て、にやりと笑ってしまった。

「もうっ!」

赤くなる彼女はいつも通り。まんざら否定しないときは、だいたい俺と同じ考えだ。


「いただきます」


もちろん彼女は俺のものだし、俺は彼女のもの。



キミノコトヲ、
ハナサナイヤクソクデショ?


もちろん、離してやる気なんてこれっぽっちもないけれど。


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mims様…大変遅れてしまい、大変申し訳ありません!
もしよろしければ、こんなカカシ先輩をもらってやってください(TmT)
せっかく足を運んでいただいたのに、本当に申し訳ありませんでしたっ

700000打、
おめでとうございました!

雅綺
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世界は色を失ったの雅綺さまより頂いた、70万打お祝いでした!!!!
雅綺さぁぁん、いつもいつもこんなにふつつかなmimsを構って下さるだけではなく、サプライズ!!!ホントにありがとうございます><
頂いて帰るのが遅くなっちゃって…
何度お礼を言っても足りませんっ!!!

どうぞ、これからも宜しくお願いします!!!!
2009.08.03 mims
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