水たまり

久々の休日にウキウキしながら街を歩いていると、なんと遠くから黒いパイナップルの房が。
アイツは私の天敵シカマルーザだ。人間の皮を被ったエロ大魔王で、自分より知能の低い人間をバカにして楽しむ変態(まぁバカにしているつもりは奈良くんに無くとも、奈良くんに比べると皆バカなんじゃないのかっていう勝手な思いだけど)。

そしてその変態は甘いマスクと声を駆使し、あらゆるお姉様方のハートを鷲掴みにした挙げ句放置するというドSでもある。

そんなえげつない程頭の良いシカマルーザが、すこぶる頭の弱い私に天敵と認識されているのかというと、初対面の私の胸を掴んだ奴だから。それだけではなくちょっとデカすぎる。と、わいせつ的発言を残して去ったのだ。取り敢えず頭にきた。だから天敵なんだよ。



「よぉ」
「げ、」



しまった逃げ遅れた!
余りにも初対面が衝撃的すぎてもう遭いたくないと思っていたのに!!

そんな私のお口は正直者で、声をかけられてから反射的に失礼な音を出していた。



「げっつうのは酷くねぇか?」
「酷くない。全然普通の反応だと思うよ?」
「へーぇ。まぁせっかく会ったんだしゆっくり話でもすっか」



せっかくって何ですか、へーぇて何ですかへーぇて。と、ブツブツ文句を言っていれば、俺の奢りだし。と爽やかな笑顔が。
そのミント味みたいに爽やかな笑顔と奢りという言葉につられて何ともまぁお洒落なカフェへと入ってしまった。
これはヤバイぞ。何だかお姉様方の気持ちが分かった気がする。だって腰にそえられた手はさり気ないし(避ける隙もなかった)、店の入り口を開けてどうぞなんて微笑むし。君は王子様なのか?

ほんの一瞬ときめいた胸に馬鹿野郎と一喝し、促されるまま足を進めると、少し古い木の匂いがする、奈良くんの好きそうな静かな店で(奈良くんの事は変態だって事以外知らないけど)、心地良く耳に入る音楽はジャズのようだ。

なんて、よく小説で読むような文書を頭の中で組み立てて満足してみたけれど、一体ジャズがどんな音楽かも分からないし、ちらほらとみえる客の話し声で小さく流れる音楽なんて聞き取れない。
私って馬鹿なのかも。いや、確実に馬鹿なんだけど。




一番奥の壁際の席に着くと、今更ながら自分はコーヒーが飲めない事を思い出した。



「コーヒーしかねぇよ」
「え、(エスパー?)私コーヒー飲めないんだけど…」
「知ってる」
「……え?」



ならば何故ここへ連れてきた?!自分だけ優雅にコーヒー飲んで私はみてるだけなのか、そうなのか(つかホントに何でコーヒー飲めない事知ってるの)。
奈良くんって意地悪なのね…と、少し、いやかなり落ち込みながら、私どうしたら良いのよと考えているとクツクツと喉で笑う奈良くんの声。その声に、いつの間にか下を向いていた視線をあげれば、少年がイタズラに成功した時の様に、くしゃりと笑う奈良くんがいた。

その姿に、またときめいた。目をそらす事ができなくて、見つめていれば、ウソ、と言う奈良くん。え?ウソって何が?



「コーヒー以外にもあるっつの」
「・・・」



チクソーーー!!あ、間違えた。畜生ーーー!!そうだよねそうだよね、よく考えれば今時コーヒーしかないカフェなんてちょっと珍しいよね!でも私こういう店が苦手でいっつもファミレスなんだもん仕方ないじゃんか!!

騙された様な気恥ずかしさと、この人S過ぎる!という事実に頬が熱くなるのを感じる。
…というのは建て前で(恥ずかしいのは確かだけど)、本当は2度もときめいてしまったのが悔しいのだ。でももしかしたらそれが建て前かも知れない。わぁ、なんて複雑な乙女心。



「なまえちゃんてさ、」
『(これ程ちゃん付けに違和感を感じるの初めてだ)なに?』
「俺の事好きだろ」
『………(そうか、)』



だから遠目で奈良君を見つけた時へんなカンジがしたんだ。そうか、好きなのか……(何となく、妙に納得出来てしまうのがこわいな)。と、言うことは一目惚れだったってこと?
いやいや待て、確かにいきなり胸を掴まれたから、意識はしてたかもしれない。でも、もう会いたくないなとか、世の中私の常識が通じない人もいるんだとか、どちらかというとマイナスな事での意識だった筈。

だけど、今日胸がバクバクしたり、奈良君の行動ひとつひとつに目を惹かれるのは、何故?良くないイメージの人が紳士的な態度をとるから?無邪気に笑ってくれたから?



『分かんない。』
「何だソレ」
『分かんないからデートしよう!』
「……りょーかい」







(ニヤリと笑う彼は、まるで、ソレのように足元から)







*******
まずは2周年おめでとうございます☆これからもストーキング続けますから(笑)

そしてリクエストを上手く燃焼しきれなくてすみません!私はエロいという言葉の意味を間違えて把握しているもよう。ただの変態になってしまいました(汗)そしてこれはきっと偽物のシカマルですね…‥。だってちゃん付け……(笑)申し訳ないです。
みむ姐のお家へのバースデープレゼントなのに、あまりにもsky.のバカさを盛ってしまいました(笑)シカマルの頭の良さと目一杯黒くしたシカマルが伝わったか不安ですが(^^;)
しかし吐き気のする程の愛をこめて贈らせていただきます!!

ちなみに不必要なあとがき的妄想。デートの途中で2人は水たまりの上を通ります。さり気なくシカマルはその水たまりに映るヒロインのおパンツ見てればいいと思います(ドーン

書き直しや苦情などあったら、みむ姐、言って下さいね!!例えばこんなあとがきいらないわ!とか(笑)
では長くなりましたが、以上がsky.からの愛でした!

- - - - - - - - - -

[if you]のsky.さまよりいただいた、mon amourの2周年祝いでした!!
す、すかいちゃんっ!!!黒めのシカなんていう訳のわからない呟きに、こんな素敵夢をありがとうvv変態ちっくなエロスの大魔王的シカマル!アリだね〜アリアリ!!!あんな彼も大好き/////そしてまさかの後書きオチもたまらんっ(´Д`*)ぎゃあああ、おパンツ見られてもた…どないしょ
ギャグテイストも大好きなので、しかも思い切りツボなので、めちゃくちゃうれしかったよ!すかいちゃんの愛、たっぷり感じましたとも!これからの一年もどうぞよろしくお願いしまーす。らぶ
2009.10.26 mims
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -