春の薗
「せ―のっ」
「「「「シカマル、シノ、上忍昇格おめでと―っ!!」」」」
「ありがとよ」
「・・・・・・・・・うむ」
「シノぉ、“うむ”ってことねぇだろうが・・・・・」
「・・・・・・・・・感謝する」
隣でポ―カ―フェイスを崩さずに謝辞を述べるシノに苦笑しつつ、オレたちの昇格を祝うっつ―のを口実にした宴は始まった。
―春の薗―
「なんだかんだ言って、やっぱりシカマルとシノが一番に上忍になったわね―」
「オレなんてや―っと中忍なったばっかなのに・・・二人ともずるいってばよ・・・」
「ずるいって・・・お前、中忍試験の時いっつもいねぇからだろう?」
「そりゃそうだけどさ―・・・」
「いいじゃないの。これで上忍目指せるんだし」
「そうだぜ!オレだって次こそぜって―昇格だ!」
恨めしいっつ―か羨ましいっつ―か、上目使いでしょんぼりするナルトをサクラとキバが半ば呆れつつ励ましていると、チョウジが口いっぱいに料理を頬張ったまま喋り出した。
「それにしても・・・今日はあんまり・・・・・集まらなかったね」
「チョウジ―、飲み込んでから喋りなさいよ―!」
「しょうがねぇよ、下忍の頃みてぇに時間取れね―んだし・・・シノもシカマルも、これから益々ヒマなんてなくなんだろ?」
人事みてぇに言ってるけど・・・キバ、お前シノとチ―ムなんだから条件は同じじゃねぇの?
「難しい任務が増えて暇がなくなるのは、キバも同じだ。何故なら・・・俺たちは同じチ―ムだからだ」
「へっ?」
「当たり前だろうが・・・ったく、チョウジといのもだぜ?暢気に構えてんじゃねぇぞ?」
「なんでキバとかチョウジとか、いのまで忙しくなるんだってばよ?」
「当然でしょう?今まで隊長として上忍を割り振ってもらっていたのが必要なくなるんだもの。それくらい分かりなさいよ?」
「ふ―ん・・・」
どう見ても分かってねぇナルトを他所に、オレとシノの昇格祝い・・・をダシにした宴会はそこそこ盛り上がりを見せて。
これから続くであろう、決して楽とは思えない生活を忘れさせてくれていた。
「じゃあな―!」
「お―、今日はありがとな―」
酒に弱いクセに飲みたがって、案の定ヘロヘロになったナルトはシノとキバが送るっつ―し、サクラといのはチョウジが送るって言うんで、オレは一人で家路に着くことにした。
けど・・・散々飲み食いして騒いで、ダシにされたとは言え楽しい時間を過ごしたせいか、いつもより酔いが回っているようで・・・。
なんとなく、帰りたくねぇなぁ・・・と考えているうちに、足はある方向に向かって勝手に動き出す。
居るかどうか分かんね―けど、まぁいいか。
冷たさの消えた夜風に吹かれながら、月を追いかけるように、少しだけ軽やかな足取りで歩き出した。
「あ、居るじゃん」
目当ての窓を見やれば、そこには明かりが灯っていて、住人が居ることを示していた。
時間的にもまだ起きてるだろ。
控え目にノック・・・しようとしたら、その前に開けられて、危うくドアとキスするとこだった。
「あっぶね!」
『あはは!ごめんごめん!』
部屋の主はごめんといいながらも、ちっとも悪びれた風が無くて、思わずこっちも笑い出したくなる。
「やっぱ分かった?」
『そりゃね、一応上忍ですから?気配を消してない人間くらい察知できますって』
「へ―へ―」
オジャマシマ―スと呟きながら上がり込み、定位置へと腰を下ろすとベストを脱ぎ捨てた。
「ふぅ・・・・・」
『昇格祝い、してもらったんでしょう?もうお開きになっちゃったの?』
「いつもと同じ展開。ナルトのヤツがヘロヘロになっちまって終了だ」
『そっか』
クスクスと笑いながらベッドに腰かけたなまえからは、ほんのりと甘い香りが漂ってきて・・・酒の回った頭が更に麻痺しちまう。
「んん・・・」
『なぁに?』
背中を預けていたベッドに頭を乗せて、見上げながら手を伸ばせば、ふわりと笑みを浮かべて握りしめてくる。
指を絡めたまま、のそのそとやたらと重い体を動かして寝そべり、空いた腕を華奢な腰に回しつつ柔らかな腿へ頭を乗せた。
「なまえは・・・祝ってくんねぇの・・・?」
『ん?』
「オレ・・・・・早く追いつきたくて・・・頑張った・・・んだぜ・・・・・?」
あぁ、何言ってんだ、オレ・・・。
思った以上に酔っ払ってるみてぇ。
『分かってるよ・・・シカマル、おめでとう・・・』
額に温もりを感じたのを最後に、オレは睡魔に抗えず、眠りに落ちて行った。
お酒の威力かしら・・・こんなシカマル、初めて見る。
でも、普段は飲んでもここまで酔うことってないのにね?
いつもならある筈の眉間の皺も消え、ちょっとだけ赤らんだ頬の顔は何となく幼く見えて。
軽く開かれてス―ス―と寝息を立てる口元は、微笑んでいるようにも感じる。
『ふふっ・・・』
上忍になれて嬉しいのに、素直に言えないって・・・分かってるけど厄介な性格だこと。
括っている髪を解いて指で梳けば、擽ったそうに頭を動かす。
このまま寝かせてあげたいけど、それじゃ私の足がもたないから、ちょっと動かさせて?
『よいしょっと』
見た目は細いのに、やっぱり忍だけあって筋肉がついてるから・・・結構重い・・・の、よ、ねっ!
『ふう・・・・・』
何とかベッドに納まるようにシカマルの体を移動させ、明かりを消して隣へ潜り込む。
『きゃ!?』
横たわった途端に抱きつかれて、狸寝入りされてたのかと思ったけど、無意識だったみたい。
いつもは腕枕される側だけど・・・たまには逆もいいかも。
『おやすみなさい、奈良上忍・・・・・』
規則正しい寝息を立てる頭を抱え込み、私も眠りの中へと落ちて行った。
喉の渇きを感じて目覚めると、薄明かりの中に浮かび上がる白い首筋と鎖骨が目に映って、一瞬状況が判断できなかった。
「ん・・・?」
あ、あぁ、・・・あのまま寝ちまったのか。
小さな子供のように眠るなまえを起こさないように、オレの頭を抱え込んでいる華奢な腕からそっとすり抜けて台所へ向かう。
渇きを癒してベッドへ戻ると、さっきと寸分違わぬ形で眠るなまえを抱き寄せて、また眠りにつこうとしたら・・・。
『んん・・・・・シカ・・・?』
起こしちまった。
ここで話しかけたら完全に覚醒させちまうと思って黙っていると、なまえは半分眠ってるみてぇな状態で身体を摺り寄せてきた。
身体は細ぇのに見た目よりふくよかな胸を押し付けられて・・・欲がむずむずと疼き始める。
・・・誘ってんのかよ?
ちょっと自分に都合のいい解釈をしつつ顔を覗き込めば、薄く目を開けてこっちを窺ってやがんの。
「起きてた?」
『起こされたのよ・・・元気良過ぎなんだもの』
そう言うとなまえは、腿でオレを控え目に刺激してくる。
「う・・・しょうがねぇだろ?健康な男なら当然だぜ」
まして腕の中に居るのが惚れた相手なら、尚更な・・・。
啄ばむだけの口づけを交わしながら、そっと身体を入れ替えて圧し掛かると、軽く開いた唇で吸い付いてきて・・・・・やっぱ誘ってんじゃん。
少しずつ熱情を煽りながら、互いの唇を貪るように、でも舌は差し込まずにキスを繰り返す。
『ん、はっ・・・』
態と深いキスをせずに顔を首筋へと動かし、ちょっとした独占欲の証を残しながら胸元を肌蹴て、白く柔らかなそこにもシルシを付けた。
掌に馴染むしっとりとした肌を愉しみつつ乳房へと目をやれば、紅く色付いた先端は既に尖りきっていて。
「なまえ・・・・・・すっげぇ、エロい」
身体を離して素早く衣服を脱ぎながら見下ろす姿は、更に興奮を昂ぶらせるものだった。
『んっっ、シカっ・・・早くっ』
欲情で彩られた瞳と、吐息混じりの声・・・そんなんされたら、焦らしもできねぇじゃん?
「慌てんなよ・・・・・もっと、じっくり行こうぜ」
そう言ってて、実はオレも余裕なんてねえけどよ・・・。
なまえの纏っていた物を全て剥ぎ取り、火照った身体を重ね合わせた。
「はぁ・・・・・っ」
再び合わせた唇の隙間から舌を捻じ込みながら、存在を主張している蕾をきゅっと摘めば、全身を震わせて反応する。
『ふ、ぅん・・・っ・・・・・んんっ』
絡め合う舌を離さないまま、両胸の頂を嬲り続けていると、次第に快楽へと身をゆだね始めた。
絶え間なく続く刺激に堪えきれないのか、なまえが熱く潤った秘部を擦りつけて来て・・・油断してたわけじゃねぇけど、思わず腰が跳ね上がる。
「ば、っか・・・んなこと、すんなって・・・」
『んっ、だって・・・はっ・・・・・も、我慢・・・で、きないっ!』
ぬるぬるとした熱い愛液を塗りたくりながら押し付けられ、すぐにでも挿れたくなる衝動を必至で堪えると、すかさず身体を下へとずり下げた。
「じっくり、って言っただろ?まだ・・・挿れてやんねぇよ」
『あっ!やんっ!』
足首を掴んで持ち上げ、大きく開かせて覗き込むと、さすがに恥ずかしいらしい。
閉じようと身体をくねらせるけど、それもオレを煽る要因にしかなんねぇって。
「いいから見せろよ・・・・・すっげ・・・ぐっしょぐしょじゃねぇか。何でこんなに興奮してんだ?」
ククッ・・・
喉の奥で笑いながら掴んだ足の先をペロリと舐めると、それだけでビクン!と身体が揺れた。
『や・・・あ、んっ・・・・・あ・・・・はぁっ・・・・・』
足指を舐め続けたまま視姦を続けていると、赤く充血した割れ目から、ふくり、と蜜が零れ出る。
「あ、溢れてきた・・・ソコ、触ってねぇのに・・・なぁ?」
『はっ・・・・ンっあっ・・・シカっ!』
「ん―?どうした?」
『気、が、狂いそうっ・・・!』
「オレは何にもしてねぇぜ?」
ニヤリと笑いながら親指を口に含み、ぬるりと舌を動かす。
指先ってのは意外と知られてねぇ性感帯で、なまえにとっちゃ全く予想外の刺激だったらしい。
『ひぃあっ!!』
きゅっ、と秘唇が一旦閉じたかと思うと、溢れる蜜が量を増した。
「あ―あ、こんなにしちまって・・・どうすりゃいい?」
『ふ・・・っく、あ・・・・・ぁっ』
「な、どうすれば、いい・・・?」
止めどなく流れ出る蜜を掬い上げながら、快楽を求めて震える花芽を弾くと、悲鳴のような声を上げて背中を仰け反らせる。
『やぁっ!!』
「どうして欲しいか・・・言えって・・・」
内腿に吸い付き、なじるような目で見つめつつ問えば、なまえは朦朧とした意識の元で小さく何かを呟いた。
「聞こえねぇなぁ?」
吸っていた箇所を甘噛みして更になじると、潤ませた瞳で見上げてきながら掠れた声で答えを返してくる。
『イ、カせ、て・・・お願い・・・・・っ』
懇願するその表情・・・堪んねぇ・・・・・。
「イイ顔してんじゃねぇの。いいぜ・・・イカせてやるよ」
眉を顰めて涙を零すなまえへと口づけを落とし、今か今かと待ち受ける壷口へと反り返った先端を宛がうと、また焦らしを加えた。
「でも・・・・・」
『で、も・・・?』
「もう少し、オレを味わってから、な!」
『んああっ!!』
気を抜いた瞬間を狙って一気に突き上げたのはいいけど・・・き、っつ・・・・・。
「くぅっ・・・なんっ・・・・・はぁっ!」
『んあっっ!んふ、ぅ・・・んん・・・・っ』
いつもより焦らして煽って、昂ぶりの度合いが違うのか、普段と異なる感触にオレの余裕はどこかへぶっ飛んでっちまった。
『んっ!んっ!んぁっ!あっ、あっ!』
「はっ・・・はっ・・・くっ・・・」
キシキシとベッドが軋む音と、結合部から聞こえる淫らな水音、それと二人の荒い息づかいだけが響く中、絶頂へと導く為の動きしか考えられなくなる。
『あ、あ、はっ!はっ!シ、カっ!も、もうっ!』
「イクっ?はっ・・・・なまえ・・・・っ?も、少し、待て・・・って・・・」
『ダメっ!も、無、理っ!あっ!んっ!んっ!』
膝でオレの腰を挟み、絞り上げるように収縮を繰り返すなまえの中は熱くて・・・待てと言った筈の自分も、既に限界に近かった。
仰け反った背中に手を回して抱きすくめながら、律動の速度も限界を超える。
『あっ!あっ!シカっ!んっ!あっ!あぁ―――っ!!』
「なまえっ・・・うっ・・・くっ・・・・・ぅあっ!!」
溶けるような熱の中に、それを上回る熱い迸りを吐き出して・・・オレたちは同時に果てた。
鼻を擽る香りに目が覚めると、既に隣は空っぽで。
微睡みの中をゆらゆらと漂っている間になまえが頬をそっと撫でてきた。
「ん・・・・・あ、さ・・・?」
『うん。おはよ』
「・・・はよ。って、今、何時?」
『9時過ぎたとこ。昼過ぎに上忍の手続きでしょ?朝ご飯作ったけど・・・食べられる?』
「ふああ・・・っ・・・あ―――・・・・・・食う」
『じゃ、早く起きて!お味噌汁冷めちゃうから、ね?』
「うぁい・・・」
寝惚け眼でなまえを見やれば、いつも通りの柔らかな笑みを浮かべてて・・・ふと、疑問が頭に浮かぶ。
「なぁ・・・」
『ん?』
「昨夜って、何であんなに・・・?」
そこまでの言葉で意味が通じたらしく、ちょっと瞳を見開いた後、顔を寄せて囁かれた言葉に・・・
オレは呆気にとられちまった。
(春だから、ね・・・そう言う時期なのかも?)
(犬猫じゃあるまいし・・・はぁ―・・・・・)
End.
-アトガキ-
キリ番:5555を踏んで下さったmims様からのリクエストにて書かせていただきました〜!
シカマル裏夢・設定自由とのことでしたので、甘々のラブラブエロスの予定でした、が!!
エロス突入と同時にドS全開なシカマルに変身してしまいました(汗)
みむちゃん、気に入らないトコロがあったら何度でも書き直しますのでダメ出ししてください!
お待たせした上に、こんなんでも良ければ、捧げさせていただきま〜すっvv
またキリ番、狙ってくださいね〜(*^^*)
ダメ出し、持ち帰りはmims様限定ですので、ご容赦願います。
ここまで読んでくださったなまえさま、ありがとうございました♪
2008.5.3 【Crimson Triangle】 by.天姫
[Crimson Triangle * ]の天姫さまより頂いた、5555hitsのキリリク夢でした
はぅ――、天ちゃんっ 鼻血とドキドキが止まりません…
サディスティックシカマル、最高や。本気で心拍数が上がってどうしよう…書きかけの連載の世界に戻れん
2008.05.03