誤解
頬に触れる手
「…っ」
いつもよりずっと近い彼の瞳
「ちゃんと目開けとけって…」
かかる吐息
「だって…」
微かな痛み
「だってもなにもねぇだろ」
生理的に浮かんでくる涙
「…よし、取れたぜ」
「…ありがとう」
まだ違和感の残る目許を軽く擦る。
逆睫毛が目に入るなんて、ついてない。
鏡を見てもどうしても取れなくて困っていたら、隣にいたシカマルが(半ば強引に)取ってくれた。
「あんまり擦るなよ。余計目赤くなるぞ」
「うん」
彼氏じゃなきゃ、とてもじゃないけどあんなマヌケな顔見せられない。(できれば彼氏にも見せたくなかった)
「ったく、あんたたちねぇ…」
声のした方へ視線を動かせば、いかにも『呆れてます』な表情をしたいの。
「いちゃつくのはいいけど、人のいないところでしなさいよねー」
「「は?」」
いちゃつく…?
一体何の事だろうか?
シカマルも見当がつかないらしい。
眉間のしわがいつもよりちょっとだけ深くなったのがその証拠。
「惚けなくたっていいわよ。ま、シカマルが周りを牽制したいんだろうけど」
人目のある所でキスされる彼女の身にもなりなさいよねー。
ああ、そういう事か。
いのから見た時、ちょうど私はシカマルで隠れる位置で、少し屈んでいたシカマルと上を向いていた私の顔が重なっているように見えたのだろう。
「ったく、ちげぇっつの。こいつの目に逆睫毛が入っちまったから取ってやってたんだよ」
「はいはい、分かったわよ。ま、いちゃつくのも程々にしなさいよねー」
シカマルが説明しても、いのにはごまかしているようにしか聞こえないらしい。
軽く肩をすくめた後、なんだか楽しそうに待機所を出て行った。
「…そんなんじゃねぇっつの」
顔を真っ赤にして頭をかくシカマル。
その姿が、なぜか無性に愛しかった。
(私は別に、それでもよかったんだけどね…)
‡END‡
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みむ姉様へ、こっそり捧げます。
100万HITおめでとうございます!!
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悠久の夢路] 舞嘉ちゃんより100万hitsお祝いに頂きました
逆さ睫毛って痛いんだけど、シカマルにこうやって取って貰えるのなら毎日でも逆さ睫毛で目が痛くなれば良いよ…とおもってしまった。素敵な夢をありがとね〜!!
これからもどうぞ宜しくお願いします☆らぶ
2010.02.20 mims