ふたりの願い

私たちの関係性って。

不安定なんだけど

そこには確実に何か強いものが通っていて

言葉であらわすのは難しいけど

















ふたりの願い





















友人達にも呆れられている。

まあ、しょうがないっちゃしょうがないのかな。

わかんないけど。

「あんたの別れるは信用しない」

だなんて言われて。

もう次はないみたい。










「なんであたし達ってこうなのかな。」











隣に座って気持ち良さそうに

あたしの肩に軽くもたれかかるようにベンチに座っているシカマル。

天気がいいから二人で公園にきたのだ。












「さあな。」


「付き合ったり別れたり。」


「お前・・・言っとくけど」













シカマルが身体をおこして

なまえを睨み、すぐに溜息をついて頭をかいた。

シカマルが言いたいことはわかる。

原因はすべてあたしだ。

全てってことはないか。

うん。

そんなことはない。












「勝手に離れてくのはいつもお前だろ・・・たくっ。」


「でも戻ってきてるじゃん。」


「そーいう問題かよ・・・。」












シカマルはなげやりに言ってるけど

別にわたしはせめられてるわけじゃない。

厳密に言えば

シカマルになぜかせめられたことがない。

そこがいつも気にかかって。











「ごめんね?」


「いや、別に。
 あやまってほしいわけじゃねぇよ」


「なんで?」


「は?」













シカマルは女の子からいかんせんモテる。

それがあたしを不安にさせるし。

いらない嫉妬心をかりたててしまう。

でもシカマルにそんな心をぶつけたことはない。

独占欲をシカマルに見られたくなくて。

いつも余裕のある女でいたくて。そんな見栄っ張りなあたしだから。

そういう気持ちを隠して

おしとどめて。

だからそれがふいに爆発して

この人から逃げたくなる。










「いっそ・・・怒ってくれた方がラクになるのに。」



「怒れねぇよ。」



「なんでよ、そこがいまいちわかんないっていうか。」










怒ってくれないってことは

好きじゃないのか、あたしのことをって。

思っちゃうわけよ。

すんごい身勝手だけど。






シカマルは今どんな顔をしてるんだろうって

すごく気になって目をやれば。

片方の手を首にかけ

瞳を地面をむけていた。
















「お前がオレから離れてくのは
 オレのせいでもあんだからよ。」


 
「シカマ・・・ル?」



「せめられるわけねぇじゃねぇか。」










そうやって無理して笑顔なんかつくらなくていいのに。

大人みたいに笑わないで。










「お前っ・・・なんで泣くんだよ?」



「だって・・・・シカマルが・・・・。」









言葉にはならなかった。

あたしは自分が自分で思っているよりも

シカマルを愛してるらしい。

















「別に嫌じゃねぇとかそういうわけじゃねぇんだけど。
 お前の傍がオレの居場所だと思っちまってるから。」



「シカマル・・・。」



「出て行かれるたび苦しい。
 けど戻ってきたら何か無条件で嬉しいし。
 ・・・・・単純だろ?」














自嘲めいてシカマルが笑うから

胸がぎゅっとつまった。

伝えなきゃ。

大切なことはいつも

ちゃんと口にしなきゃ。

大切な人を守るために。















「好き・・・ほんとに大好き・・・。」




「どうしたんだよ、急に。」




「言いたいの・・・ほんとに好きだよ。
 わかってほしいの。」



 








泣き出したあたしの肩を左手でひきよせて

あなたが優しく頭をなでるから

もっと泣けた。













「わかったから。
 ありがとな、オレの隣にいてくれてよ。」




「うん・・・・。」





「あのよ・・・。」






「うん・・・・。」








「お願いだから・・・もうどこにも行くなよ。」
















『これでも結構心配してんだからよ。お前が他の男に目がいくんじゃねぇかって』と

そう言って、あたしを抱き寄せる手に力がこもって

すぐさまそれを緩めようとしたシカマルの気持ち。

あたしと似てる。

あなたはあたしと似てるんだ。

愛することに

とても臆病で。

相手を想うから

ときどきうまくいかないんだ。

でも

それでもいいと強くおもえたから

あたしは返事をするかわりに

全てが伝わればいいとおもって

力強くシカマルを抱きしめ返した。


















そこには

「痛ぇよ。」と笑ってつっこむシカマルがいる。

それだけで十分だ。

なんども確認したくて。

あたし達は強い糸でむすばれてる。

あなたの隣が一番なの。









誰かと心の底から笑えても

どこか違うの。

ときどき怖くて苦しくて

でもあたしが心底落ち着いて

はてなく愛しく感じる場所は

いつだって

あなたの隣なんだ。

























「ほわっと幸せになれる甘い感じ・・・」のシカマル夢というリクをいただきまして
でも・・・・シリアス風味になってしまってるーーー?!
ちくっと幸せになってますよね><
くぅーーー><申し訳ないです(笑)
mimsさんこんなのでよければお持ち帰りしてくださいませ><
mimsさんに相互記念夢でした^^




■あとがきby mims■

[kapuseru+]の智子さまから頂いた相互記念夢でした!!
うわーん、智子さんっ・・素敵な年始のプレゼントをありがとです〜♪
これって、まるで・・・(笑)
どうぞ、これからも宜しくお願いします!!

お読み下さったなまえさま、ありがとうございました。
感想などございましたら、PCで是非智子さまのところへ!!
すっごく素敵な夢が沢山ございますよー!!


2008.01.05
mon amour☆mims
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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