Sweet+Sweet=?

甘いバニラと、
ほろ苦いチョコ。

二種類のカップアイスを前に、彼女と銀時はそれぞれのマイスプーンを持ったまま悩んでいた。


「どうする?」

「どうすっかな…」

「バニラのまったりとしていて、それでいてしつこくない爽やかな甘さは良いんだけど…」

「チョコの僅かな苦味の残る上品な甘さも捨てがたいしな…」


因みにカップアイスはビニール袋に入って、ドライアイスの海と化した洗面器の中にいるので、こうして悩んでいてもすぐに溶ける心配はない。

うんうんと二人で悩んで十分くらい過ぎた時、銀時は「よっし!」と覚悟を決めたように膝を叩いてビニール袋に手を伸ばした。


「俺、チョコにするわ」

「ちょ、ちょっと待った!私も今チョコにしようと思ってたの!!」

「はァ?んだよソレ、隣の芝は青いってヤツですかー?駄目ですーこういうのは早い者勝ちですー」

「えーっ!!」


騒ぐ彼女を無視してカップアイスの蓋を開ける銀時。それを見た彼女は諦めたように肩を落とし、残りのカップアイスを袋から取り出して蓋を開けた。

スプーンで掬い、口に入れた途端に広がる甘さに彼女は頬を綻ばせるも、やはり自分が欲していた味とは違って内心で少し落胆する。

と、突然顔を両手で挟まれ、
強引に横を向かされた。



「……っ!!?」



ふわりと広がるチョコの味。
口内で蠢くひんやりしている物体は、この目の前の男の舌だろうか。

急すぎる展開に彼女は頭の中がぐるぐるするのを感じながら、漸く解放されたと同時に銀時の頭へチョップを落とした。


「っ、てェ!!!!」

「このアホ坂田!エロ!!」

「んだよんだよ!!お前がチョコ食いたがってるから分けてやったんだぞ?何でチョップされなきゃなんねーんだよ?」

「その分けるやり方が駄目なんだよ、バカ銀!」


真っ赤な顔でプイと顔を背けてしまう彼女。が、銀時はチョップを落とされた頭を擦り、再びチョコアイスを口に運んだ。




SweetSweet



「ほら、もう一口やるから機嫌直せって」

「……バカ」


END.





初!銀さん夢…!!
うわばば、書きにくっ…!

こっそりと姉さんに捧げちゃいます。見てるかな?こんな銀さんで良かったら持って帰っちゃって下さいませ(笑)

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如月ひなさまより頂いた銀さん夢
ひなちゃん!!ホント、甘い銀さんをありがと――
相変わらずの文才に惚れぼれ。やっぱ、ひなちゃんだ。
めちゃめちゃ嬉しくて、すぐに連れ帰りました☆
2008.08.22 mims
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