私はハル先輩に借りた本を見
ながら恭弥さんにお弁当を作
った。出来栄えは……まあま
あだと思う。恭弥さんが住ん
でいるマンションにやってき
た。この時間はお仕事の時間
なのは分かっている、つまり
びっくりさせようと思って、
恭弥さんの夕飯のような感じ
になればと作ってきたのだ。
合鍵を使って中に入る。部屋
は恭弥さんの匂い。柄になく
ニヤニヤしてしまった。仕事
用のデスクにお弁当を置くと
1枚の紙切れが置いてあった。



危ないからあまりここには来るな



シンプルながらも恭弥さんな
りの優しさが詰まっている、
そう思うと嬉しくて仕方なか
った。危ない、という言葉を
もう1回見つめていると、ガ
チャガチャと閉めたはずのド
アを開ける音がした。恭弥さ
んが帰ってくるはずない。…
……まさか。靴はとりあえず
靴箱にしまっておいたからバ
レはしない。けど…けど!私
は慌ててすぐ傍の脱衣所に滑
り込んだ。間一髪、身を隠し
た途端に影が恭弥さんの部屋
へと入って行った。声を上げ
てしまいそうになるのを堪え
て少し開けたままの扉から向
こうを覗いた。嫌な予感は当
たった。女の人だった。



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