私は話した。実は、彼氏にス
トーカーがいるのだ。メール
が来たり、つけられたり、手
紙がきたり…。まだ、我慢で
きるらしいけど…そんな事で
お仕事に支障をきたす訳には
いかない。そんな話を休憩に
と貰った余りのケーキを囲ん
できいてもらった。ハル先輩
は真剣に話を聞いてくれた。


「警察、に行った方がいいん
じゃないんでしょうか…」


「……彼氏のお仕事上、あん
まり波立たせたくないんです」


「んー難しいですね…」



ぱくり、と口に含んだショー
トケーキの甘さが口に広がる。
どうしまひょうか、もぐもぐ
させながら思わず呟いてしま
った。ハル先輩はいい子と頭
を撫でながら微笑んでくれた。
少しホッとしてしまった自分
が居る。

「きっと…大丈夫ですよ」

何も力になれなくてすいませ
ん、肩を落としながらハル先
輩はポツリと言った。でもそ
れだけの言葉で私は勇気を貰
った、本当にナミモリーヌで
バイトをしててよかった。涙
ぐむ私は無理やり笑って、感
謝の言葉を口にした。温かい
空気が私たちを包む。ちょう
どケーキも出来上がったのか
フワリと甘い香りが漂う、そ
れは私たちの休憩時間の終わ
りも告げていた。


「今度、お弁当を作ろうと思
うんです」


「素敵です!愛妻弁当ですね」



目をハートにさせながらハル
先輩はほわほわと想像を膨ら
ませる。同じく私もおかずを
どうしようかと考える。


「そうです、ウチにお弁当の
本があるんです!美々ちゃん
に貸しましょうか?」


「か、貸して下さい!」


私はバイトが終わったらハル
先輩の家にお邪魔する事にな
った。ストーカーの事がまだ
気掛かりだったけど、恭弥さ
んは関わるなと強がりそうだ
し…。お弁当渡して元気にな
ってもらおう。そう決意して、
ちょうど入ってきたお客様の
元へと注文を取りに行った。






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