〇white line〇another day | ナノ


▼ catch a cold 短編

5才のミッシェルは珍しく風邪を引いていた。

『我が君ーわたし元気だよ!!!全然平気!!!』

熱は高いがミッシェルはいつも通り遊んでいた。

『ああ、馬鹿というものは例え風邪を引いたとしても』

『我が君!!だめですよ少なくとも病人なんですから!労わってあげてください!!』

ナギニに口を挟まれヴォルデモートは不服そうな顔をして立ち上がった。

当のミッシェルはというと熱で目がトロンとして充血していた。

『我が君、今日おでかけするんでしょ??お留守番できるもん』

へへんと得意そうに幼児体形のお腹を突き出して見せている。

『まだ時間ではない』

ミッシェルと目を合わせることなくヴォルデモートは何かを探している。

その姿を見てミッシェルはまた一人で遊び始めた。

『こんな可愛い娘を置いて行っちゃうんですか??』

ナギニが心配そうにミッシェルを見ながらヴォルデモートに言った。

『どこにそんな娘がいるというのだ?』

ヴォルデモートはいつも通り表情一つ変えずに言った。

『ほーら!!!ここだぞ?』

ミッシェルはヴォルデモートに投げキッスをしてみせたがヴォルデモートは完全に無視をした。

『二人ともコントはそこら辺で終わりにして下さい。真面目にお願い!!!』

『ミッシェルはいつも真面目だよおおおおお』

『ふざけているのはそいつだけだ』

どちらもいちゃついている認識はないようだ。

困ったのはナギニ一人・・・いやナギニ1匹。

ヴォルデモートがしきりに時間を気にし始めた時、ミッシェルが一冊の絵本を持ってきた。

『ねえねえ行く前に一冊読んで』

ニコニコ笑顔のミッシェルに表情なくヴォルデモートは本を受け取った。

何も言うことなくミッシェルはヴォルデモートによじ登り膝の上に乗った。

ヴォルデモートがページを開くとミッシェルが読み上げるという変わった形式だ。

もう少しで終わるという頃にミッシェルはウトウトし始めヴォルデモートが気づいた時は眠ってしまっていた。

いつもより高い体温にヴォルデモートは自分自身も汗をかいてきていた。

ミッシェルのしっとりとした体を抱き上げるとベッドへとそっと置こうとした。

しかし寝ているミッシェルはヴォルデモートのローブをしっかりと握っていて寝ているというのになかなか離れなかった。

仕方なくヴォルデモートは自分も一緒に横たわりじっとミッシェルを見つめた。

ミッシェルはヴォルデモートの上に抱っこされる形でスヤスヤと眠っている。

『小さいくせに意外と重いな』

ヴォルデモートはミッシェルの体重を感じながらじっとしていた。

『あれっ我が君・・・?』

二人はどこにいるのだろうかと探していたナギニの目には意外な光景が映っていた。

『やっぱり病気になると子供って本能的に親に守ってもらおうと思うんですねぇ』

『少なくとも私ではない』

『その状況でよく言いますねwwwww』

ナギニが思わず笑うとミッシェルがその声で起きそうになったので慌ててナギニは退散した。

ヴォルデモートはせっかく寝たミッシェルを起こしたくなかったのでじっとそのまま一緒に寝転がっていた。

外出予定時刻はとっくに過ぎてしまったがじっと日が暮れるまでそうしていた。

3時間お昼寝をしたかと思うとミッシェルは目を覚まし高かった熱もすっかり下がっていた。

『あれ?我が君一緒にいてくれたの??大好き!!』

ミッシェルはすっかり汗をかいていたがいつも熱が下がり始めると汗をたくさんかくのをヴォルデモートは知っていた。

『寝不足だっただけだ』

表情なく答えたヴォルデモートにミッシェルは抱きついた。

『ずっと大好きだよ我が君!!』









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