あの日から少し距離を置こうかと思った。が、それは出来なかった。人間そう簡単に距離をおく。だなんて出来ねぇし。だから、少しずつ距離を置いていく事にした。
あいつなら1人でも大丈夫だろう。
なんだか教室に居るのも落ち着かず、教室を出て廊下をぶらぶらとさまよっていた。
そうすれば、真ちゃんとあったので真ちゃんの後ろにひっついてそのままぶらぶらする事にした
真ちゃんがお汁粉を買って、そしてどこか飲むとこを探そうと、うろうろしたいた。そんな時に真ちゃんに会ったのだ
「真ちゃんってさー、ピアノ弾けたんだなぁ」
「だからどうした」
「なんでもねぇけどさ、なんかアレだなぁて。俺、キラキラ星とかカエルの歌とか…そんなんしか弾けねぇからさ、なんかすげぇなって」
「だからどうした」
「んーん、なんでもねぇし」
本当は、羨ましかったりした。小学生の頃、学校の授業からなんかで、教えてもらったキラキラ星をピアノでひいたら、それに合わせて那音が他の音を紡いでくれた。俺にしかしてなかったから、いつの日か、俺は那音の隣は俺。と、思っていた。
それは中学のときも同じで、ピアノを弾くときは隣にだれもいなかった。那音に合わせれる人なんて、いないと思っていたから、少し安心してたんだと思う。
それが壊れたのがつい最近。真ちゃんが隣に座って弾いてたのを見た時だった。
ずっと俺が那音の隣と感じていた。そのなにかがもろくも崩れた瞬間だったと思う。凄い複雑な気分だ
会話をしながらも、心はここにあらずという感じで、ぼうっと真ちゃんの少し後ろをあるいていたのだが、その大きな背中にぶつかった
「うわ、いきなりとまんなよ」
「…如月だ」
真ちゃんの目線の先には小さくだが、那音と、誰か知らない女の子がいた
「なになに真ちゃん那音の事気になっちゃうわけ?まあ、確かに那音は顔はいいから分かっちゃうけどさー」
「行かなくていいのか」
冗談を言ったつもりなのに、真剣な顔で返事がかえってきたから驚いた。
なんだよ、真ちゃんが女の子に対して真剣だとか…
「なにが」
「見て見ぬ振りをするのか」
「いやいや、見て見ぬ振りってどういうことだよ」
「…行くぞ」
俺は真ちゃんに引きずるように連れて行かれた
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