料金不足な愛情
高尾も教室に居なくて、話しかけてくるのはよく分からない人達。高尾が居たらなんとかしてくれるんだけど、その彼が今はいない。
接すのを面倒だと感じた私は、ふらふらとどこか、教室以外の場所をうろついていた
「ねぇ、如月さん?ちょっといいかしら」
どこのクラスの人か分からない人に、話しかけられた。誰とも話したくない気分なのに、最悪だ
頷いて、彼女の後について行く
ドンっと、壁を蹴る音がした。気づけば私の背後には壁。そして数人の女の子
いきなりのことで、目を見開いた
「本当は喋れないとか嘘なんでしょう?」
きつめの声で言ってくる
なんでそんなこと?わけ分からない。貴方にそんなこと言われる筋合いないし…とか言いたかったが、その言葉がでない
「ほら、なんにも言わないってことは、嘘なんでしょ?」
『違う』そう言いたくて、首をぶんぶん横に振った
「そうやって男を落としてきたんでしょ。私の好きな人にもそうやってさぁ!なんか言えよ!」
申し訳ないが、は?という気持ちでいっぱいになった
なんか言えたらなんか言ってるし、お前らの好きな人と話したことない。その前に誰か分からないのに…。理不尽だ
本当の事を言いたくて、メモとペンをポケットからとりだし、紙に滑らせようとした。
が、それはままならず、書こうとしていた手を叩かれ、その紙とペンはどこかへ飛ばされた
叩かれた手がじーんと痛む
「そういう演技とかまじでないから。なんなの、それ。どうせ自作自演なんでしょう。そうやって高尾君を利用して自分のものにしてるんでしょ」
何度も横に振っても、聞いてくれない。
彼女らの言葉がグサリと突き刺さる
でも、彼女らが言ってる言葉は、あながち嘘ではない気がした。だから、なんと言えばいいのか分からない
なにも言えなくて。否、いう事ができなくて彼女達を見ていたら、なにが気に入らなかったのは分からないが、「なによその目!」と、言って、手を振り上げられた
その後の行動なんて百も承知。ほら、よくあるあれでしょう?そのまま私を叩くつもりでしょ?
なんか、感情のまま動いてる彼女らを見ていたらめんどくさくなってきた
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