「どうした」

振り向けば緑間君が居た。
ぽつりと取り残された私は、教室の扉の前で突っ立っていた


『高尾にふられた』

メモ帳にペンを走らせ、緑間君に見せる


「は、な、なに泣いているのだよ」

気がつけば波がボロボロと出てきていた

『なんでだろうね。一緒に帰ろうの誘いを断られただけなのにね』

なんでか分からないけど、涙が止まらなくて、うつむきながら緑間君にメモを見せる


「あ、その…だな…家、送って行くのだよ。だから泣きやめ」

緑間君はそう言って抱き寄せてくれた。優しいね。本当に…



そのまま何分か泣いて、学校を出た。送ってくれると言ってくれたが、悪いと思い、途中までにしてもらおうとした。しかし、緑間君の優しさが勝って、結局家まで送ってもらうことになった。

帰り道、気を使ってくれたのか、必要なこと以外はなにも話さず、静かに帰った


特別と知れば怖くなります故
(それが特別だと分かるのは)
(もう少し後のこと)


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title:ポケットに拳銃
121018蜜柑




 

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