特別と知れば怖くなります故





教室に帰れば那音の鞄があった。まだ学校にいるのだと思い、那音を待つことにした。たまには一緒に帰るのも悪くねぇし


しかしなかなか帰ってこない。もしかして那音俺のこと探してる?入れ違いになったとか?…まさかな。そんな嬉しいことがあるはずない。なんせあの那音だからな

もう少し待っていようと思い、机に体重を預ける
耳をすませば、どこからか綺麗なピアノの音が聴こえた。なんだか目が重たくなってそのまま耳のみをむけて目を瞑る

一曲終わったのか、気がつけばピアノの音がプツリときれていた。
それから間があいて聴こえてきたのはキラキラ星だった。始めは単純な音で、次にたくさんの音が聴こえた


「那音…?」


なぜそう思ったかは分からない。でも、あいつのような気がしてならなかった。気づけば俺は教室をでて、音楽室への階段を登っていた


音楽室にきたものの、入る勇気もなく、ドアに手をのせたまま突っ立っていた。

そういえば準備室に窓あったな…

準備室に通じる道を通って、準備室から窓を覗く

那音…と、真…ちゃん…?
真ちゃんなんでそこにいるんだよ

しかも那音なんだか楽しそうじゃねぇかよ


アイツの隣で、アイツのピアノにあわせて弾く真ちゃんは心なしか楽しそうで、那音も楽しそうで、幸せそうな顔をしていた


そりゃあそーだよな。だって、あいつはーー…

それ以上を考えると罪悪感故、辛くなってきた





 

- ナノ -