「あれ、真ちゃん?」



私がペンを走らそうとすれば、教室のドアから聞き覚えのある声。振り向けばあの高尾がいた


「どこに行ってたのだよ」
「職員室だけど…もしかして探してくれてたり?」

ふん、と鼻を鳴らして眼鏡のブリッジをあげる



「で、那音はまだ帰ってなかったんだな」


まあね。と、言わんばかりに頷く


「あ、真ちゃんこいつが那音。前話せないって言ってたたやつ」
「それはさっき本人からきいたのだよ」
「え、そんなの」
『そうなのだよ』

高尾が私の方を向いて聞いてきた。だからえっへんとドヤ顔で言ってみといた。そして『噂の如月那音です』と、軽く自己紹介をしておいた。


「…緑間真太郎なのだよ」


よろしく。と、口ぱくであるけど伝えて、無理やり彼の手を握って握手した。


君の肌からしらないにおいがした
(しらないにおいからしってるにおいに変わった日)



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title:ポケットに拳銃
121007蜜柑




 

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