「いい奴らだな」
『"本当に、皆いい人。私なんかを待っててくれて、本当にいい人"』
「文化部って実はあんなに熱かったんだな」
『"運動部ほどじゃないけど、合唱部も毎日練習だし、いろいろあったりするし…それなりにね"』
「ふーん、お疲れさん」
『"うん。まあ、今日はありがとう"』
「お、今日は素直じゃん」
うつむき加減で言う如月の頭をくしゃくしゃ撫でたら髪がぐちゃぐちゃになるからやめろよ。という顔で見られた
帰りの電車は人が少なく、広々と席を使える
『"高尾はもう高校決めたの"』
「んー、まあはっきりとは決めてねぇけどな」
『"そっか。どーしよーかなぁ"』
正面を見ながらタブレットで打ちながら話す
「んー、じゃあ俺と一緒のとこにすれば?何かあればすぐ駆けつけてやれし」
『"レモン牛乳キャンディー買ってこい!とか?"』
いたずらそうに笑って俺の方を見る
「ただのパシリじゃねぇかよ」
コツンと、頭を叩いた
痛い。と、ほっぺを膨らませていたが、笑いがこぼれそうな顔だった
『"じゃあ高校でもよろしくだね"』
「まだ決まってないって。今日如月早とちりっつーか、なんか色々と早いよな」
泣くのも、今も、と付け足した
如月は"そうかなぁ?"と言いながら笑っていた
遠くへ行くの禁止
(本当は如月が遠くに行かない事に)
(安心している自分がいた)
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120927蜜柑
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