黒バス | ナノ

貼られたレッテル


「帝光中学校出身の赤西蓮です…。よ、よろしくお願いします!」

はじめのホームルームではお決まりのような自己紹介からはじまる
まずは先生からでその次は生徒…という。順番は番号順であった。もともと目立つ事がニガテな私にとって、自己紹介は過酷なものだとおもっている


「帝光中出身の黄瀬涼太っス。よろしくっス」

隣の席の誰かさんが自己紹介する事によってさっきまでの静かさは消えていき、主に女の子達がザワザワしだした。もちろん女の子だけとは限らない
「え、黄瀬君ってモデルの?」「きゃー黄瀬君と同じクラスだなんて!!」「黄瀬涼太って、あのキセキの世代?とかいうやつの!?」
そんなクラスメートの反応を見て彼はハハハと苦笑いをこちらに向けてきた

ここで分かっただろうが、私は黄瀬君と同じクラスだった。最悪だ。これからレッテルを貼られないように心して生活しなくてはならないと思うと気が重たい

自己紹介が終わって休み時間…。
いかにもきゃぴきゃぴした女の子達が私に寄ってきた

「ねえ赤西さんって黄瀬君と同じ学校だったんでしょ?話したことある?」
「ま、まあ…」
「仲いいの?!」
「そ、そこまででも…」
ねぇねぇ、ねぇねぇ…

休み時間というだけなのに凄いたくさんの女の子達が集まってきた。正直迷惑だ。そんなに気になるのなら本人に聞けばいいのに…て、それができないから来てんのか
苦笑いになってそうで少し心配になった。ちゃんと笑えてるかな

「ちょっとアンタ達、赤西さん困ってるじゃないの」
「え、」
「赤西さん大丈夫?」
「う、うん…」
「そう、良かった」

ふわりと彼女は笑ってから席に座った
そのおかげできゃぴきゃぴ女子、略してきゃぴ女子は帰っていったからよかった


「蓮…なんかごめん」
「いーよ、慣れっこだし…」

さっきまで席にいなかった黄瀬君が何時の間にか帰ってきていて申し訳なさそうに言った
そう、慣れてるから…。なれっこだから私なら大丈夫だ

席に座ってぼーと外を眺めていたら前の席の男子が話しかけてきた

「お前ってあいつと仲いいよな。彼女かなんか」

ブッ

いきなりすぎる発言で盛大に吹き出してしまったじゃないか

「ち、違うよ!違うってば!!そんなんじゃないってば!!」
「え、ちげーの。じゃあ何?実は兄弟とか」
「えっとさ、どうしてそうなるの?」
「いやー、やけに仲いいなぁとか思ってさー」
「はあ、そうかなぁ」
「それは蓮とオレが幼馴染だからっス!」
「え、まじで?」
「マジマジっス。ちっさい頃から仲良しなんで」
「あ、ちょ、き、黄瀬君…!」

いきなり入ってきてこんなことをぬかすから…。ほら、周りの女子がまた目を光らせたじゃありませんか
顔が赤くなるのよりも早くサーと青ざめていったのが分かった
やめてよ黄瀬君。声が大っきいし。それにまた勘違いやら嫉妬やら…エクストラエクストラ…にのみ込まれてしまうじゃないか

ため息一つして周りを見まわすと、さっきの女の子と一瞬目があった気がした


貼られたレッテル

この一瞬で私のレッテルは黄瀬君の幼馴染となってしまった

(私の高校生活が…)

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120827蜜柑

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