黒バス | ナノ

紫原くんとおみくじ


久しぶりに秋田から帰ってきた友人と、今、神社に来ている。なにをするため?それはぜんざいを食べるため。毎年行く神社では、初詣をしにきた人にぜんざいを無料で配る。だからそれを目当てで、俺は毎年敦とここに来る。
ぜんざいを食べる前に、一通り全て終わらせなくてはならない。


「あ、これ緑間の絵馬じゃね?」
「んー、ホントだー。ミドチンの方が早く来たんだねー」
「そうだな。あ、敦はなんか書く?絵馬する?」
「んー、絵馬よりさ、俺おみくじしたい」
「そうだな。じゃあやるか」

2人で巫女さんのいるところまで行き、「おみくじ2回お願いします」と言えば、巫女さんは笑顔で俺たちに、御神籤箱を渡した。それを俺がひいてから敦に渡し、敦がひいて、出た数字を告げて、おみくじの結果をもらった


「なんてかいてあった〜」
「んー、待ってよ…あ、凶だ。敦は?」
「んー?俺は大吉だった」

嬉しそうに俺におみくじの結果を見せてきた

「あ〜、失せ物でるってさ」
「敦の場合、お菓子のカスが出てきそうだよな」
「お菓子のゴミくらいちゃんと捨ててるし」
「じょーだん冗談」

敦をからかえば、頬をぷくぅと膨らませていた。敦は本当に子供みたいで可愛い。まるで弟がいるみたいだ。頭を撫でてしまいたい。と、何度も思ったことがあるが、彼は身長が高くて届かない。伸ばしそうになった右手を引っ込めた

「敦、ごめんな。そう怒るなって」
「蓮ちん、俺が起こってるように見える?」
「うん、頬っぺた膨らまして、タコみたいになってるからな」

微笑しながら言えば、ぶぅ、と、また頬を膨らました。「ほらまた」なんて言えば、頬を膨らますのをやめて、口を尖らせていた

「蓮ちんは俺のこと馬鹿にしてんの?」
「んなわけないじゃん。むしろ、その逆。敦が可愛くて仕方ない」
「可愛くてなんてよけいだし」
「そうだよな。敦はかっこいいよ。これでいい」
「なんか違う気がするけどいいや」

プイとそっぽを向く敦。その向いた先に回り込み、「ほら、これくくらないとな」と言って、おみくじをぴらぴらさせて見せた。コクリと敦は頷いて、沢山おみくじが結んである木に向かった

「蓮ちんのは俺より悪いから高いところにくくらないといけないね」
「そうだな」
「蓮ちんの、1番に神様に見てもらわなきゃだもんね」

「そうだな」と返事をしながら、一生懸命に背伸びをしてくくっていれば、隣に居た敦がいつの間にかいなくなっていて、おかしいな。と、首を傾げていれば、いきなり見ている高さが上がった。そして、足が宙に浮いた

「蓮ちん高い高〜い」
「あ、敦?!」
「蓮ちんチビだから俺が肩車してあげるねー」

ひょい、と、肩に乗っけられる。「せっかくだから1番高いところに結んでよねー」だなんて下から言ってくるから…
男子高校生2人、しかも1人は巨人だっていうのに…よけい人目につくじゃねーかよ。と、思いながら、渋々1番高くて、誰も結べそうにない場所におみくじを結んだ





紫原くんとおみくじ
(蓮ちんぜんざい食べよー)
(…そう…だな!)



ーーーーー


130121蜜柑

prev / next
[ back to top ]

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -