青峰くんと凧揚げ
「あおみねー!はやくこいよ」
パタパタと足を鳴らして、川の近くの広い土手に走っていくチビこと、蓮の後をついていく。姉が福袋争奪戦に行くかなんかで、俺は、こいつのおもりをすることになった。赤西家と、俺の家は仲がいいらしいから。めんどくせぇけども、仕方ない
「みて!」
と、自慢気に手には買ってもらったのか、家にあったのか、今どき珍しい凧を持って言ってきた
その後、嬉しそうに凧を抱える蓮についていき、土手に行く
「あーおーみーねー!!おそい!!あおみねのほうがおっきいのにあおみねおそーい」
きゃっきゃっという効果音がつきそうなくらいにはしゃぐ蓮。ちっせーのによく疲れねぇよな。と、関心した
「じゃあとばすよ」
と、きっと凧が上るのを期待している目で、俺に向かって言ってきた
凧を地面におき、紐を持ってからトコトコと走る
蓮が全力疾走しても、俺が早歩きをすれば、すぐに追いつく。
おそらく本人は一生懸命走ってるんだろうと思うが、凧は一向に上がる気配がしない。そのうち、蓮が「上がってた?」と、息を切らしながら言ってきた。
「あんまり上がってなかった」
そう答えれば、しょぼん。という効果音をつけたくなるみたいに、がっかりしていた
「貸せ」
しゃがんで、目線を合わせて手を差し伸べれば、素直にコクリと頷き、凧を渡した
「あおみね、」
「なんだよ」
「たこ、とぶかな…」
小さな眉を顰め、首を少し曲げて聞いてくる。そんな蓮の頭にポン、と、手を置いて「俺が飛ばす」と、一言告げた
「あおみね、がんばってね」
また、期待の表情を浮かべる蓮。まだかまだかと、凧が上がるのを待ちわびている
「見とけよ」
凧の紐を引っ張って、走る
結構な勢いで走ったから凧は飛んでいるはずだ
どこかで蓮がきゃっきゃっ言ってるのが聞こえる
風がいい感じに吹いたところで、足を止める。いつの間にかちっさくなった蓮が一生懸命に走ってきて、俺の所で来た
「あおみね、やっぱあおみねすごいね」
嬉しそうに笑いながら言う蓮に、少し疲れが吹っ飛んだ気がした
青峰と凧揚げ(ねえ、あおみねつぎはなにしてあそぶ?)
(まだ遊ぶのかよ)
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130109蜜柑
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