黒子くんと福袋争奪戦
「…寒い…ですね」
「寒いよねー。あ、カイロいる?」
「あ、使います」
ずっと握っていたカイロを黒子くんに渡す。にしても、息が白い
そして、そんな中私達は行列の中にいる
「…ぬるいですね」
「うん、ずっと握っていたからね」
返します。と、言って、返されたカイロを再び握る
正月早々からこんなに寒い中、なぜ並んでいるかというと、それは、福袋を買うためである。
毎回すぐ完売してまうと噂の街中のお店。いつもは近所のちょっと賑わう店で買ってたんだけども、黒子くんのお誘いでこうなったのだ。黒子くんからお誘いなんて…珍しい
そうして、前日から集まって、2人で会議を開き、作戦を練っていたのだ
時計を見ると、後、少しで開店の時間帯
「黒子くん、作戦を確認しよう」
「はい」
なぜだか楽しそうな黒子くん。作戦は黒子くんの影の薄さを利用して、凄く混んだつするといわれる所をたのみ、私はレジに並び…と、手分けをするのだ。
「楽しみですね」
「?うん」
「僕、年明けから蓮さんと一緒にいられて幸せです」
「え、福袋じゃなくて?私なの」
「はい、だって蓮、こうでも言わないと僕と一緒にいてくれないでしょう」
ふわりと幸せそうに、優しく笑う黒子くんに、どう接したらいいのかわからず、「えっあ…」と返した後、
「そういえばメール届いてたよ」
と言って、初日の出を拝みに行ったらしい友人のメールを見せるのであった
黒子くんと福袋争奪戦(戦争の幕開けだね…)
(やりますか…!)
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130104蜜柑
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