黒バス | ナノ

近くて遠いというやつ


差出人:紫原 敦君
件名:(なし)
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蓮ちん元気ー?
俺は元気だよー。
見てー、今日は30
アイス食べたんだぁ
30日だから30%OFF
の日だよー
新作おいしかったか
ら是非食べてほしい
しー(^o^)

添付有り

***


「蓮ー今日30アイス食べに行くっス」
「うん!ちょうど誘おうと思ってた!行こー」
「蓮と相思相愛スー」
「うーん、ちょっと違うかなぁー。まあいいや、行こう」


部活の帰り、紫原君からメールがきていた。ちょっと目を通して、添付の画像を見る

よく出てくる黒髪の男の子、室ちんさん?と紫原君が2人でアイスを食べている写真が添付されていた。

よく紫原君から写真は送られてくるのだが、たいてい黒髪の美人さんが写っている。紫原君曰く、室ちんさんって言うらしい。


「蓮ー、なににするっスか?」
「うーんと、これとこれ」
「後でひと口欲しいっス。あ、俺はコレとコレ」
「黄瀬君のもしっかり貰うからね」
「いいっすよー!蓮にならあげちゃうっス」


レジについてアイスを注文した。キングサイズかスモールサイズのダブルにしようか迷った結果、スモールサイズのダブルにした。


「ねえ、黄瀬君写真撮っていい?」
「いいっスけど、蓮は写らないんスか?」
「え、じゃあ写ろうかな。あ、紫原君に送っていい」
「もちろん」


アイスを持って、黄瀬君はカメラを構えてくれた。黄瀬君は撮るのうまいからね、ホラ、自撮りってやつ


「どうせならとびっきりかっこいいポーズしようよ」
「いいっスね!するっス」
「黄瀬君はもともとイケメンだから、それなりに写っちゃうから、若干ダサいのでお願いね」
「え、なんスかそれ…難しい…ス」


真剣に悩んだらアイス溶けるから早くして!て、言ったら「じゃあ背中合わせできめるっス」と言い、カメラを向けた

カメラの音が聞こえて撮れた写真を見て、2人でゲラケラ笑ながらアイスを食べた。
だってさ、かっこいいどころか、ただのアホにしか見えないよ。




『紫原君、メールありがとう!私も食べたよ』などと、返信して、その後さっき撮ったばかりの写メを添付しといた。


紫原君とのメールは、きままにできるから好きだ。緑間君と違って、返信しなくても怒らないし、着信もこないからね。

にしても、秋田って本当に遠いよね。うん、文明開化って素晴らしいと思う。こうして遠くに行っちゃった友人と繋がれるんだし…



近くて遠いというやつ

次にきたメールには、新作のお菓子が写メとして添付されていた。


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title:魔女のおはなし
120929蜜柑

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