黒バス | ナノ

ゆるいようにゆるく


※紫原の双子設定




のそりのそりと巨大な図体が二つ並んで歩いている。1人は僕と同じ部活の紫原君で、もう1人は双子の妹の紫原さんだ。

紫原兄妹は身長が高い。しかし、2人並ぶといい感じの身長差だと思う。でかすぎない小さすぎない身長差。そして瓜二つと言っても過言ではないほど似ている容姿。お菓子好きなところとかも結構似ている。


「紫原さん」

そんな彼女を後ろから呼ぶ。


「あれー、テツヤ君だ。どっしたの」
「お昼休み話があるって朝言ってたじゃないですか」
「そうだっけ」
「そうですよ」

うーん、と悩むでからようやく思い出したのか「屋上行こうよー!」と言って、手を握られた。そのままぐいぐい引っ張られながら屋上に連れていかれた。

途中で目があった紫原君は、「変な事したらひねり潰すよ」という眼差しでこちらを見ていた




「で、話ってなんですか」
「忘れた!」

屋上について、話をきりだしたらこう帰ってくる

「ただ、テツヤ君とお話したかっただけ!」
「朝もお話しませんでしたっけ」
「朝は敦君が隣にいたから違うの。2人でお話したかったのー」

ぶぅ。と、ほっぺを膨らます紫原さん。いくら紫原君と似ているからといっても、彼女は可愛いと思う

「それにね、テツヤ君。私は蓮ていう名前なの。紫原だと敦君と同んなじ呼び方でヤダっていつも言ってるでしょー」
「いや…それは…」

彼女名前を紡ぐたびに恥ずかしくて死にそうだなんて言えなかった。

「ていうかさー、テツヤ君もっと大っきくなってよー」
「そんなこと言われましても」
「これ以上身長差ができたらテツヤ君の隣にいたらどっちが女かわかんなくなるもん!」
「紫原さんが身長が伸びなかったらいいなはしですよ」
「もー!また名前じゃないー」

テツヤ君のばかぁ!と言いながらぷんぷん怒る彼女。そっぽ向きながら頭をペチペチ叩いてくる。怒っているはずなのに可愛いと思えてしまう僕は、きっと彼女にベタ惚れなんだと思う。

「痛いですよ。僕が縮んだらもっと差がひらきますよ」
「…!それは駄目!でも紫原さんも駄目」
「それはわがままですね。嫌いになりますよ」
「え、わがままなの?駄目ー!テツヤ君嫌いにならないでー」
「え、あ、うわ」

ちょっとしたいたずらで言ってみた。彼女は目を大きく見開く。そして、いきなり抱きついてきたからバランスを崩してしまった。

「分かりましたからはなしてください」
「ヤダー、テツヤ君と離れたら死んじゃう!」
「授業中いつも離れてるじゃないですか」
「それはそれ。今は今!」
「僕が押しつぶされて死にそうです」

力をこめて抱きついてきていたので、息ができなくて苦しかった。が、実は少し幸せだったり…。やっとはなしてくれた紫原さん。ポケットに手を突っ込んで、ゴソゴソしだした。

「これあげるね」
「ありがとうございます」

手にポトリとキャンディーを落とされた。レモン牛乳味のキャンディー。これは彼女が大好きな飴だ。この飴をくれるときはだいたい「ごめんね」という意味が込められているらしい。

「ねぇ、お願い。蓮って呼んで」
「恥かしい…です」
「テツヤ君は私のこと…嫌いなの」
「嫌いじゃないです」
「もしかして黒子君て、呼んだ方が良かった?」
「ちが…」

彼女の真剣な目と目があって思わず赤面してしまう。そしてそらしてしまう。
僕は腹をくくって、大きく深呼吸をした。

「蓮…さん…。」
「…!テツヤ君」

新しい玩具を与えた子どものように、キラキラと目を輝かせ、また再び抱きついてくる。またまたバランスを崩して倒れることになる。

「蓮さん、苦しいです」
「わーい。テツヤ君好き好き好きー!」

抱きついてきて、顔をスリスリしてくるから、僕は思考回路がショートしそうです。


「オメーらうるせーよ!好い加減にしろ」


屋上に入る扉の上で寝ていたであろう青峰君が顔を出して、いきなり大声で言ってきた。

「アホ峰、覗きはよろしくないよ」
「もともとここで寝てたんだよ!」
「もしかしてアホ峰ぼっちでさみしかったのか!」
「ああもううるせー!好い加減付き合えよお前ら!」


ゆるいようにゆるく


「だってさ。テツヤ君アホ峰がぼっちで寂しいみたいだから昼寝に付き合えってさ」
「サボりに付き合わされるのはごめんです。青峰君」
「ちげーよ」


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やってみたかった双子ネタ

title:魔女のおはなし
120908蜜柑

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