黒バス | ナノ

空飛ぶポテトチップス


さっきまでわたしの目線にあったポテトチップスが弧を書くように上空に飛んでいる
そして、走馬灯のようにさっきまでの出来事が駆け巡った


今日の放課後は全生徒部活がない日だった。部活がないってだけで少し早く帰れる日。私は凄くそれが嬉しくて、家でなにしようか必死に計画を練っていた

が、それは先生の一言で牡丹の花のように散った。無理矢理居残りさせられた上に、教室の施錠までも任された。これじゃあ部活があった方がマシだ。とりあえず出来たので、先生に渡そうと思って教室を出た。うん。そこまではよかったのだ。いったいなにがいけなかったのだろう。
あれか、朝前の席で寝ていた黒子君の髪を結んでツインテール!とかしたから?
数学の先生のカツラがズレてるのを発見してクスクス笑ったら?
それともお昼に紫原敦のおかずを奪ったからか?そして放課後腹いせにチョコを一枚とったから?今日の出来後が一通り走ったが、とにかく何が悪いのかよく分からなかった。

そして思った。ポテトチップスて、空を飛ぶものだったけ。ポテトチップスて食べるものじゃなかったけ?そうだよ、食べるものだよなんで飛んでるの

あ、そうでした。さっき紫原敦がが廊下を歩いているのに気がついて声かけたんだ。「あ、蓮ちんだー」とかぬかしながらでかい図体がこちらに向かって走ってきたんだ。そこで問題がおきた
彼は自分の長い足が仇になり、もつれて転けたんだ

そうして持っていたポテトチップスがそのままスポーーンと飛んでいっていまに至るのだった

まるでポテトチップスはスローモーションのように上空を舞っている
私があんぐりと上を見ていると『ゴツン』と鈍い音とともに頭に衝撃が走った

紫原敦の頭と私の頭(額?)がまさしくごっつんこしてしまった。紫原敦は背が高い事を全くと言っていいほど忘れていた。
頭にすごい衝撃が走ったまま、そのままぎゅっと目を瞑り、後ろに倒れた。

そして宙を舞っていたポテトチップスがボトボトと私に向って落ちてきた




「蓮ちんなんか美味しそうだね。食べちゃいたい」


「は、なに言って…!」


目を開けると紫原敦は私の上に…いわゆる馬乗り?と言うやつになっていた

「本当に食べちゃいたい」
「アノウ、何ヲ言ッテイルノデスカ」
「うん、食べちゃおーと。いただきまーす」
「ぎゃぁぁあ、近い近いやめてー」

起き上がろうとしたのにがっちりと腕を掴まれて固定されているので起き上がれない

そのまま私の顔に落ちたポテトチップスを顔を近づけて食べるものですから本当に近くて近くて…、心臓が煩い。それでもって動くと「ポテチ落ちちゃうから動かないで」とか言われる。こう言うことを不可抗力と言うのですね。先生。

あいにく今日は生徒が居なくて良かった。いたら明日から学校いけないよ…。と思った矢先に聞き覚えのある声が聞こえた。しかもこちらに向ってくる



「だからさー、黒子っちも…て黒子っちは見ちゃダメっスーー!」
「黄瀬君痛いです」

通ったのは黄瀬涼太と黒子君。そしてアホ峰だった。必死に助けてアピールしたのに黄瀬涼太はきゃあきゃあ煩いし、黒子君は黄瀬涼太に手で目隠しされて痛そうだし、アホ峰に限っては「ポテチプレイかよ…」とか言いやがった。アホか!助けろよ
そしてそのまま何事を無かったように去って行った。
運が悪くお次に通りかかったのは赤司君と緑間真太郎。またもや助けてアピールしたのに緑間真太郎は顔を真っ赤にして見てはいけないものを見たような顔をするし、赤司君は「ちゃんと片付けるんだぞ」とボソリと呟いた。それに対し、「分かったー」と紫原敦が返事した。そうして2人は去って行ったのだ。
そういう問題じゃねーよ!!アホか!アホなのかお前らは!と、心の中で泣きながら思ったが、口に出せる状況では無かった。
もぐもぐと美味しそうに食べる紫原敦に対していまだに煩い心臓が憎たらしかった


空飛ぶポテトチップス
(どうしよう。このまま本当に食べたいちゃいなぁ)
(お願いだから誰か助けて!)



ーーーーー

その後はご想像でお任せします


120903蜜柑

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