黒バス | ナノ

らっきーあいてむ


最近私には、朝怖いことがあります

『〜♪』

携帯が私にメールがきたことを告げる

「げ…」

怖いもの、それは毎朝同じ時間帯にくるメールです
それが毎朝くるたびに私は顔をひきつらせてしまいます

恐る恐るメールをあける

**

差出人:緑間真太郎君
件名:
ーーーーーーーーーーー

おはよう。
今日のラッキーアイテムは
広辞苑なのだよ(^-^)/

**

やっぱり緑間君だったー…!
広辞苑なのだよ(^-^)/ってなんなんだよ。その顔文字なんだよ
いつも忙しい時間に送ってくるのだが、きちんと返信をする。なぜなら返信しないと昼休みになったとたんに緑間君から電話がくるからだ

ついでに緑間君、地味に顔文字とかつかってくるのだよ。この前なんか『人事をつくすのだよ(∩・ω・∩)』とかメールきたし。なんだよこの顔文字は!!可愛いすぎるよ
あの背の高いクールな緑間君から想像できないよ

ついでに私は返信しなかったらくる着信のことを「呪いの着信」とよんでいる。
このことを間島さんに話したら大笑いされた。「アンタつくづく愛されてんねー!」だって
愛されてるとか以前に若干迷惑ですからね!!

なんでこんなメールがくるようになったかは、きっと私が緑間君にじゃんけんで勝てなくて必勝法を教えてもらったときかなんかだったと思う
その時におは朝のラッキーアイテムのことを言われ、その時間はみてないかな。と返したらならば毎朝俺がメールしてやるのだよ。とかなんとかなったからだったきがするわ

中学校の時は、毎日顔合わせてたから良かったけど…合わせなくなってからは返信しないと着信がくるようになった。本当に怖い。きっと本人にはそんな気は無いのだろうけど



ー*ー*


「ねー真ちゃん毎朝誰にメール送ってんの」
「お前には関係ないのだよ。あとそこの自動販売機の前で止まれ」
「へーへー」

高尾からやる気のない返事がかえってきた

ぽちぽちとメールを打ち、赤西にメールを送信するのが毎日の日課である。毎朝赤西の星座のラッキーアイテムをチェックして送ってやっているのだ

ついでに今日のラッキーアイテムは魚拓だった




メールを送信して1時間。返信が一向にこない
まさか、赤西の身になど考えたりしたが考えすぎだと思い返信を待っている

「なぁ、真ちゃん…さっきから数分おきに携帯ひらいてるけどなんなの」
「お前には関係ないのだよ」
「分かった。朝のメールの返事がないとか」
「だ、黙れ!けして返信など期待しているわけではないのだよ」
「真ちゃんそれ……やっぱなんでもない」

なんなのだよ。と返してまた携帯に目をやる。メールがきた!と思ったらメルマガだったので携帯を逆パカしたくなった



そして昼休み。やはり赤西からの返事がない。これはと思って携帯を握り赤西の携帯番号をだして電話をかける
なんどかコールしたのちに赤西につながった


『えっと…もしもし…?緑間君ですか?』
「そうなのだよ」
『あああああああのね、ごごごごめんなさい返信してなくて!読んだんだよ!読んだんだけど遅刻しそうで急いでたら返信忘れちゃったの』
「ふん、ならばいい。ちゃんとラッキーアイテムを持っているのか」
『もってるよ、もってるって!ほら、今日はなんだっけこれ、』
「魚拓なのだよ」
『そうそう魚拓魚拓!わ、私ね、今日は鯛の魚拓もってんだよー!あははー』


携帯の向こうからいつもの赤西の声が聞こえ、安心した
電話越しに黄瀬のうるさい声が聞こえた。あいつとはまた同じクラスなのだろうか


「赤西、それじゃあ切るのだよ」
『うん、またね!』


「真ちゃん、やっぱ誰?」

電話を終えて携帯をしまうと同時に高尾が俺の方を向き、パンを頬張りながら聞いてきた

「帝光中だったやつなのだよ」
「彼女かなんか」
「なんでそうなるのだよ。お前は俺が電話をしていたら全て彼女と思うのか」
「そーじゃなくて、なんか真ちゃんいつもその子にメールしたり返信まったり電話かけてるときって嬉しそうなんだもん」
「ふん」

楽しそうに言う高尾に素っ気なく返事をしておいた。けして否定はしなかった。自分でも何故かは分からないが、赤西蓮というやつとメールをしたり、話したりするのは嫌いじゃない。むしろ言葉をかわすことが出来ないとなんだかよくわからないけど嫌なきがするのだ

とりあえず毎日俺があいつに話ができるのはこれのおかげかもしれない
らっきーあいてむ
(真ちゃん、そのデレを少しは俺にもむけてくれたらいいのに…)
(なんでいつも時間ぴったりなんだろ…)
(蓮ほんと愛されてるよねー…)
(放っておけない…というだけなのだよ)


ーーーーー

120831蜜柑


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