黒バス | ナノ

発言は慎重に


また別の日、黄瀬君が男子バスケに入ってたからちゃんと練習してんのかな?と思って体育館を覗いたらいなかった。先輩に聞くと誠凛に行ったらしい

黄瀬君いないのなら気まずいので帰ることにした。間島さんのところに行くのもいいなとか思ったけど、少し行きにくかったのでやめてた。そういえば茶道部やってたっけ。と思って足を運んだ

茶道部はもちろんよかったし、茶菓子もおいしかった。先輩だって優しかった。ただ、なんだか物足りない気がした
それから美術部にも顔を出してみた。そしたら谷口君が一生懸命にスケッチしていた。悪いな。と思って立ち去ろうとしたらこちらに気がついたのか、声をかけてくれた。そして話していたらいい感じの時間になったので帰ることにした。谷口君はもう少し描いてから帰ると言っていたのでそこでお別れをした

物思いに更けながら帰り途を歩いていると見たことのある顔に出くわした


「あ、赤西さん」
「え、黒子君?」
「おひさしぶりですね」
「うん。久しぶり…元気?」
「ええ、まあ。あ、今日黄瀬君がうちの学校にきましたよ」
「やっぱりか」
「知ってたんですか」
「バスケ部行ったらそう言われた」

ため息なんかつきながら話しているとどこかそこらへんで話しませんか?と言われたので、すぐそこの公園で話でもすることになった

「赤西さん、もしかして差し入れとか作っていったんじゃありませんか?」
「え、なんで知ってるの…」
「カンです」
「で、その手はなにかな」
「持って帰るのなら僕にください」

さあ!と言わんばかりの顔をされてた。そして手を前に差し出してる。彼は食べる気満々なようだ…!

「まあいいよ。大したものじゃないけど」
「でも僕はすきですよ」
「え、あ、ありがと…」

タッパーに入れていたのでそのまま渡した
そしたら黒子君に誇らしげに言われたのでなんだか恥ずかしくなってきた

「やっぱりタッパーなんですね」
「だっていっぱい入るもん」
「確かにそうですけど重たくないですか」
「重たくないよー。置いておけばいい話だし―」

はははー…と笑ったら黒子君に無表情で返された。なにそれひどい

「赤西さんは僕が同じ学校だったら嬉しいですか」
「え、あー…いろんな意味での理解者だったから嬉しい…かも」
「そうですか」
「なぜそんな話をいきなり」
「黄瀬君に海常こいってさそわれたんです」
「ほー」
「まあ行く気はさらさらなんですけどね」
「ほー」
「聞いてます」
「ほー…あ、うん」
「途中から絶対きいてないですよね」
「えーそんなことないない!聞いてたって!ほら、あれでしょ。まりっじぶるー?」
「あの、僕結婚しませんから」
「そうですよねー。じょうだんでーす…」

そう言ったらまた変な目で見られたので泣きたくなった
黒子君って目力あるよね。なんだか見つめられたら泣きたくなる

「赤西さんはマネージャーやるんですか」
「迷い中かな」
「もったいないですよ。なんなら誠凛きますか」
「いきません」
「即答ですか」
「友達せっかくできたんだもん」
「まあそれは赤西さん次第ですよね。あ、そうそう今度そっち行くんでその時は盛大に迎えてくださいね」
「ほほう。たとえばどんなふうに」
「僕の歩くところだけレットカーペットとか」
「…もしかして影薄いの気にしてたりする?」

「してません」そういった黒子君は目を会わせてくれなかった。
あれ、もしかして気にしてたり…

「…なんかごめん」
「別にいいんですよ…気にしてないですから」


発言は慎重に


(やばいよ、黒子君そうとう落ち込んでるよ…)
(赤西さんだけは違うと思っていたのに…)


――――――

黒子君と話したかっただけという…

120827蜜柑

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