黒バス | ナノ

逃げられない!


「へー!じゃあ赤西てバスケやってたんだな」
「違うって!私がやってたのはマネージャーだって」
「じゃあ今日私と一緒に女子バスケ見学行かない」
「だめっスよー。蓮は俺と一緒に男バス見に行くんスから」
「おい黄瀬君、勝手に決めんなよ」
「え、違うんスか」
「おー、黄瀬ふられてやんのざまあみろ。つーわけで赤西俺と一緒に美術部見に行こうぜ!」
「ちょっと、なに誘ってんのよ!女子バスに決まってんじゃないの」
「あの…ちょっと…」

只今昼休みです。昼休みって言ってもなんか今日はこれで終わりらしくて、お弁当だべ手好きに部活見学いってこーい!っていう時間らしい。
ついでに黄瀬君と前に座っていた男子と、さっき声をかけてくれた子と一緒に食べてます
どうしてこうなったか、時間をさかのぼって整理してみよう




「ねぇ、一緒に食べない?」
「え、」

お昼休みのチャイムが鳴った。お弁当の時間だし、どうしよう。さっきの子を誘ってみようかな、でも迷惑かな…と、悩んでいたらその子から声をかけてくれたのだ

「どうする?後ろにもいるけど」
「一緒に食べたいです」
「そう」

優しく笑ってくれた女の子。私はそのこと机をつけて食べることにした

「なあ俺も一緒に食べていい?」
「えっと…」

目線をおくると「私は別にいいわよ」と声をかけてくれた。

「ずるいっス抜け駆けなんてズルイっスよー」
「あーはいはい。えっと…大丈夫?」
「大丈夫だけど」

こうして4人で食べることになった。女の子は“間島美希”さんで、前の席の人が“谷口誠”君っていうらしい。私が間島さんって呼ぼうとしたら「美希って呼んで!」って言われた。でも慣れてないらかという理由で間島さん呼びになった。ついでに谷口君もおんなじだ
間島さんは私のことをすぐに名前で呼んでくれた。あと、黄瀬君がモデルだということは知らなかったらしい。なんかよく雑誌載ってるな程度だったらしい。こんな考え方もあるんだなぁ…

そういうわけで今に至る


「で、蓮はどの部活みたいの」
「私は茶道部…かなぁ」
「え、茶道部っスか」
「だって茶菓子食べれてお茶もつくんだよー」
「じゃあさ、茶道部毎日やってないからさ、やってない日は美術部に来るってことで兼部しようぜ!」
「なぜ谷口は美術部をおすのよ。アンタ見た目は体育会系なのにもったいない」
「やっぱり?だって俺サッカーやってたし」

ニカ―と笑う谷口君。うん、その笑顔なら黄瀬君に負けてないぞ!
なんで?と、聞くと「俺、美大に行きたいんだ」と帰ってきた。1年生から進路のことを考えてるなんて…なんかすごいや。私なんて黄瀬君と同じ学校じゃないところを選んだのになぁ。結果おんなじ学校になっちゃったんだけどね


「蓮、見学だけでもしてみない?ほら、今日茶道部休みってかいてあるし…ね」
「うーん…じゃあそうしようかな。それに男バスマネージャー必要ないってかいてあるし。そういうことで黄瀬君独りで行って来い」
「へ、ひどくないスか!?あ、でも大丈夫なんスよ!蓮は特別オッケーしてもらってるんスから」
「いやいやいやいやいやいやどうしてこうなった!」
「こうしてあーしたらこうなったス」

身振り手振りで教えてくれたけどまったく意味がわからなかったよ。黄瀬君…

それと私はなんだか嫌な予感がした。まさか、まさか…ね

それから何故か黄瀬君と間島さんの口論?が始まった。

「なんか赤西モテモテだなMOTEMOTE !」
「嬉しくないなぁ。後なんでローマ字読み言ったの」
「んー、なんとなく。つーかあんなんが幼馴染だと大変そうだな」
「うん。すごく大変だよ」

谷口君が同情してくれてると黄瀬君と間島さんがなにか解決策を見つけたような目で「最初に女子バス行ってそのあと男バス行けばいいんだよ」と行ってきた。とりあえず逃げたかったのだが、お弁当が終わった後すかさず間島さんが私の腕を引っ張って行ったという…

逃げらない!

帰ったらすごくクテクテだったのは言うまでもなかった。入部届けはいそがなくてもいいと言われたのでとりあえず保留にしておいた


―――――


120826蜜柑

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