09

「あ…」

ぱさり、と紙が落ちた
イリアとスパーダがいなかったから僕は1人でできること、そう、勉強をしていた

どれくらいたったかわからない頃に、ノックして誰かが入ってきた

「あの、リカルドさんはいますか」
「リカルドならリモンとどこか行ったけど…。どうしたの?」

金髪頭がきょろきょろと部屋を見渡す

「新しく入ったと聞いたので挨拶しようと思って…リモンさんもリカルドさんと行ったのですか?じゃあもしかして食材探しに行ったのでしょうか」
「食材探し?」
「あ、はい…リモンさん、今日お料理当番なのです。だから食材探さないいけないと聞いたから…」
「そっか。じゃあそうかもしれないね。…料理どうかあ」

僕がはぁ、とため息をもらしながら過去を振り返ると、パエリアが心配してどうしましたか?と聞いた

「いや、ただリモンの料理久しぶりだな。なんて」
「まずい…ですか?」
「そんなことはないよ。見た目もいいし…ただ、」
「ただ?」
「使っている食材があり得ないだけだよ。なのにまるで魔法がかかったみたいに美味しいんだよね」

うん、あれは驚くよ。料理過程と材料を見てなかったら普通の料理なんだけど、その材料たら…本当に凄い。
例えばカレーだとする。彼女はルーを作るのにそこら辺に生えていそうな葉っぱを使ったり、魔物の体液なんか使ったりする。そして隠し味は何かって聞いたら…それはもう食べる気を無くす

「…もしかしてリモンはリカルドが狩った魔物を分けてもらう積りなのかなぁ」
「…かも知れないですね。あ、あの」
「何?」
「この本リモンさんからもらったんですが…私、字があまり読めなくて…」

ずっと胸の前に抱えていた本を見せてくれた

「え、リモンが?意外だね」
「そうなのです?」
「うん。リモンは勉強大っ嫌いだからね。字は読めるみたいだけど」

本当にびっくり。こんな分厚い本を持っていただなんて。本、見るだけでも嫌がるのになぁ…。リモンが本読んでたら明日はきっと明日はきっと吹雪くんじゃないかなぁ

「…?」
「あ、分からない字があったら言ってね」
「はい!ではさっそくこれはなんと読むのですか」

パラパラとページをめくって指を刺してくれた

「これは"せいきし"って言うんだよ」

と教えてあげると彼女はへぇ、と返事をしてまた他の場所を指差したりした
もしかして…僕使われてる?リカルドに挨拶するついでに使われてる…?
いや、べつにいんだけどね。嬉しいんだけどね

そしてそんなやりとりはリカルド達が帰ってくるまで続いた。
ついでにリモンに何故こんな本持っているか聞いたら報酬でもらったからだそうな…



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どうでもいいネタ。
リモンちゃんがあげた本はガイドブックみたいのだったりします笑


120423

 
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