05

「そうなんです!そこでパエリアがさっそうとでてきて私を守ってくださったんです!まるで王子様みたいでした」
「へぇーそうなんだ」

私はこのたびギルドに新しく入ってきたお姫様ことエステルたちの所に挨拶しに行きました。そんでこのエステリーゼさんことエステルと話が弾んでさっきからお話しているのです

「あ、ユーリ!この方はリモンていうんですよ」
「俺はユーリ・ローウェルよろしくなリモン」
「あ、はいよろしく」

ユーリローウェル…どこかで聞いたことあるなぁ。と思いながら出された手を握り握手を交わす
彼も何を思ったのか、私の顔をジーと見てきた

「あの、なにかついてます?」
「いや、なんか見覚えあるんだよな。どこかで会った?」

どうやら彼も同じこと考えていたらしい
ユーリ・・・ローウェル・・・ユーリ・・・

「あ!」
「なんだよ」

思い出した!こいつ、騎士学校のやつだ!…て、やば…私が情報収集の為に通ってたことばれてないよね

「なんでもないですごめんなさい!」

私は席をはずしてこの部屋から出ることにした
別にそんないかがわしいこといしてるわけじゃないけど…あれ、してるか

「まてよ」

あいにく手をつかまれる。おそるおそる振り返ると彼の顔が近くにあった

「お前、なんか隠し事してるだろ」
「いいいいいいいや滅相もありませぬ!!!」
「ふーん」

ぱっと手を離してくれたので私はエステルにまたね。と言ってこの部屋を出ることにした
エステルもまたお話しましょうね。と言ってくれた一件落着だわ

エステルたちの部屋を出て、私はホールに向かおうとした
が、そうはいかなくて

「おい、」

後ろからユーリに話しかけられた

「ハイ、ナンデショウカ」
「オレ思い出したんだけど。お前さぁ、騎士学校にいたよな」
「えええええ!!」
「しかもなんかよく分からない理由で学校やめたっていう奴だよな」
「なななななな」
「お、図星」

彼は機嫌がいいのかふふんと鼻を鳴らす

「覚えてくださったんですね。光栄です」
「別にそんな敬語で話さなくてもいいぜ?あの時みたいに普通に接してくれればいいから」
「は、はい。分かった」
「改めてよろしくなリモン」
「はい、よろしくです」

そうしてまた握手を交わす
よかった。てっきり変な噂になってるのかと思った


実はその後ろからエステルが覗いていて「ユーリはいじわるです…」と呟いていたのは誰もしらない


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120317

 
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