選択肢なんて、ないよ!
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※若干前のリチャードさんの話の続きです
 若干下ネタ、キャラ崩壊注意です





「あ、あの…ななしさん!受けとってください」
「わあ、ありがとう」
「い、いえ、あ…の、ば、バレンタインのお返しです!!」

バレンタイン、義理チョコとして兵士たちに配っていたので、そのお返しと題し、ホワイトデーにななしにお返しを贈る人が沢山いた。そしてこの光景を影でこっそりと見る者が2人いた


「本当にななしはモテモテですな」
「そうだろう、そうだろう!本当に困るんだよね。後であいつは解雇にしとくとしよう」
「陛下、そんなことしたらこの城には兵士がいなくなりますよ」
「それは困るなぁ…。あ、でも城にななしと二人っきりってのも…」
「そんなことしたらななしが疲れて倒れますけど」
「…それはだめだな」

2人がこそこそと話しているのに気がついたななしはそちらに顔を覗かせた

「あ、れ?マリク教官?」
「ああななし元気か」
「はい、元気っちゃー元気ですとも」
「そうか、ならこれをやろう」

ポスン。と彼女の手に小さな小包を置く

「え、あけていいんですか?」
「もちろんだ」

その小包を開けてみると可愛いネックレスが入っていた

「わぁ、可愛い…!教官、ありがとうございます」
「バレンタインのお返しだ」
「ええ!?私こんな高価な物あげてないですよ!」
「気持ちだ」
「え、あ、ありがとうございます」
「つけてやろう」
「あ、ありがとうございます…」

そういって彼女の首にネックレスをつけてやると、彼女はふわりと笑顔をマリクに向けた

「そういう顔は他の男に見せないで欲しいんだが」
「え、なんでです?」
「ななし、なにか忘れてないかい?」

ゴホン、とリチャードは咳をする

「ああ、そうでしたね。はい、お返しです」

ななしはごそごそとどこからか袋を取り出し、それをリチャードに渡した

「開けてもいいですよ」

まるで子供見ただな…とかおもいながら袋を開けるリチャードをみる
開けてみるとそれは可愛いクマのぬいぐるみだった

「ぷっ…」

唖然とした顔を見て、笑いをこらえるマリクと、真剣なななし

「あ、えっと…君は少し僕を勘違いしてないかい?後なに笑ってんだマリク」
「えっとですね。いやーさ、困るんですよ。毎晩毎晩私が寝た頃に私の部屋に入ってきて添い寝するの。布団狭くて寝返りできなくてね。で、思ったんです。陛下、1人で寝るのが寂しいのかなって」
「なるほどな…」

事情を聞き、感心しているマリクと、まだ唖然としているリチャード
これは全て事実である。仕事が遅くなると城に泊まって帰るななしは、夜、鍵を閉めてねてもなぜか夜中になるとリチャードがいつのまにかななしの布団の中に入っているのである

「いや、それはだね、ここは僕の家だからいいかなって」
「プライバシーの侵害甚だしいな」
「でしょ?」
「うっ…。それにななしが寂しがるかなって思ってさ」
「むしろ邪魔です」
「じゃあ、寒いかなって」
「寒くないです。てか、元はと言えば陛下がきちんと仕事をこなしてくれないからでしょうが」
「陛下、それは俺も思います。いい加減に仕事してください」

マリクもななしの証言にうなずく

「そんなに言わなくってもいいじゃないか」
「言いたくなります。だからほら、そのぬいぐるみを私とでも思って大切にしてください」
「毎晩抱けっていうんだね。君は実は僕に抱いて欲し「なわけねーよ」」

即座に否定するななし。そして何か思い出したようにマリクに言う

「あ、教官。明日私実家に帰るんですが、教官も一緒にどうですか」
「お前がいいんならいいが」
「私の母が教官のこと気に入っちゃったらしくて、教官連れて帰って来い。と、」
「そうか、なら行くとしようかな」
「ねぇ、なんでななしのお母さんはマリクのこと知ってるんだい」
「え、ああ、以前仕事のついでに実家に顔出そうと思ったら途中で偶然教官と居合わせたものでそれで。です」
「へぇ、僕を差し置いてマリクと実家に行くなんて…。も、もしかしてそれで僕にクマちゃんのぬいぐるみを渡したって訳か!!」
「それもありますけどね」

あはは、とななしは笑って見せた
リチャードはそうだったのか…となんどかつぶやいて決心したように言った

「僕もななしの実家に行くから」
「は、」
「言っとくけどなんていわれても行くから」

はあ、としか答えることが出来なかった。
それからリチャードは、ななしに向かって

選択肢なんて、ないよ!

と告げた

(じゃあ仕事ちゃんと終らせてくださいよ)
(もちろんさ!)
(ななしも大変だな)
(はい、おかげさまで)
(ついでにこのクマちゃんの名前はななしにしよう!)


Thanks、魔女のお話
−−−−−

ホワイトデーネタです笑

ただの変態陛下にしてしまってすみません

120314


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