青い空、雲一つない最高の天気だ。 「なーァマルコー、ひまだぁー…」 泣く子も黙る白ひげ海賊団に仕掛けてくる輩はそうそういない。 それは海軍とて同じで、最近では戦闘も特になく平和な日々。 その平和具合に元気の有り余る末っ子・エースは不満なようだ。 「いいじゃねぇか、たまの休息も大事だろい」 「そうだけどよォー…」 ぐだー、と大の字に寝転ぶ奴に「若いねい」と苦笑を漏らした。 カモメと波の音が耳に心地いい。 「…マルコ」 「何だよい」 急にエースはキョトン顔で起き上がる。 「何か落ちてくる」 「あァ?何が…」 つられて空を見上げれば「何か」はどんどん近付いてくる。 「……」 「………」 「……人だ!」 エースが叫んだ時にはもう直ぐそこまで来ていて、落ちてきた奴はとっさに伸ばされた彼の腕に収まった。 「…おん、な?」 「女だねい…」 ソイツは目隠しをされ、両手足を拘束されていた。 「オイ、」 「……」 「…意識はないみたいだよい」 エースは女の目隠しを取ろうとするが、俺はその手を制した。 「能力者かもしれねぇ。無闇に解放すんな」 「…でも目隠しくらい、」 「見た物をどうにか出来る能力かもしれねぇだろい」 そこまで言うとエースは渋々ながら納得したようだ。 「…とりあえず、オヤジに報告だよい」 (エースがダレるくらい平和な日々は) (つまりは嵐の前の静けさだったという訳だ。) next.. PREV NEXT |