*マルコ夢*




飲み物でももらおうと食堂に足を運んだ。

するとそこに居たのは書類とにらめっこする私の彼氏、マルコさん。
彼は顔を上げると難しい表情を和らげ微笑んでくれる。



「***」
「……!」
「…どうしたんだよい?」



普段と違うのは、彼の知的さを象徴するような黒いフレームの眼鏡。



「それ…」
「あぁ、これかい?」



くい、と軽く眼鏡を直す。



「老眼鏡ですか?!」
「違ェよい」
「ですよね」



バッサリと即答。

いいツッコミだ…!



「お前ェ俺にジジイキャラ定着させようとすんの止めろよい」
「すみません、あまりにかっこいいので照れ隠しです」



そう答えるとマルコさんは少し驚いたように目を丸くし、そして笑った。



「相変わらず可愛い奴だよい」



あぁもう!
我が彼氏ながらかっこいい!

真っ赤になる私に彼はニヤリと悪い笑顔を浮かべて私の顎に手をかけた。



「…あんまり可愛いから…喰っちまおうかねい」



ペロリ、唇を舐める動作。
あまりの色気にボーっと頭が働かなくて、されるがまま近付くマルコさんに目を伏せる。



「はいはーい、お二人さん、ここ食堂!」



サッチ隊長の制止にハッとなった。

は、恥ずかしい…!!



「邪魔すんなよい」
「いやいや、人目気にしろよ!逆に止めた俺に感謝して!」



駄目だなぁ、マルコさんに迫られると逆らえない…
言い合う2人を横目に一人反省会。



「もー自分の部屋行ってやれよー」
「あぁ、そうするよい」



サッチ隊長との口喧嘩に区切りをつけ、マルコさんは私の手を取り歩き出す。



「サッチ」
「あ?」
「その書類、やっとけよい」
「はぁ?!何で俺が…ってオイ!!待て!」



扉を閉める音でサッチ隊長の文句を遮ったマルコさんは眼鏡を外してしまった。



「あ…眼鏡、外しちゃうんですか?」



私の言葉にマルコさんは振り返り、触れるだけの口付け。



「?!」
「キスするのに邪魔だからねい」



獲物を狙う目。
私は硝子一枚も介さない鋭い眼光の餌食。




(マルコの野郎…職権濫用だ!)
((サッチ隊長ごめんなさい…!!))



end.

相互ありがとうございます!!



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