幸福![]() 「今日は帰り早いの?」 「あァ、一つ大きな仕事が片付いたからな!」 青空の下、巨大な真新しい船の上で2人は弁当を広げる。 「この船?」 「おう、明日進水式だ!」 自信満々な笑顔。 自らの仕事に誇りを持っている顔だ。 やっぱり大好きだ、と***は想う。 「じゃあ、今日はご馳走作って待ってる!」 幸せそうに微笑む***の頭を、タイルストンはその節榑立った大きな手で撫でる。 昔は子ども扱いみたいで複雑だったその動作も、今では大好きな仕草の一つになった。 それは、頭を撫でるタイルストンの目が、至極愛おしげだから。 愛されてる。 そう感じた***はタイルストンの逞しい腕に擦り寄った。 ーー始めは小さな帆船の模型だった。 幼い頃大切にしていたそれが壊れてしまい、泣いていた私に笑いかけ 繊細な手付きで直してくれた。 そんな彼がまるで魔法使いのように見えて、興奮気味にお礼を言えば 豪快に笑いながら節榑立った手で頭を撫でられた。ーー 抜けるような青空の下、大きな帆船の上でタイルストンと***はそっと口づけを交わした。 (タイルストンさん、大好き) (***、好きだ!) END |index| 1/2 |