「たしぎちゃん、いいなぁ…」



同期のたしぎちゃんと久々のランチ。
せっかくだから、と海軍御用達の定食屋ではなくちょっとオシャレなイタリアンのお店。

トマトソースのパスタを巻きながら呟けば、たしぎちゃんは目を真ん丸くした。



「えぇっ?!何がですか?!」



たしぎちゃんは質問するけど、そっちは店員さん。
私は正面に座ってるのに間違えるとか、もはやメガネとかそーゆー問題じゃないと思う。

驚く店員さんに謝って、彼女の視線を自分に向けさせた。



「…上司、スモーカー准将でしょ」
「や、***ちゃんだってヒナ大佐が上司でいいじゃないですか!」



そりゃあ美人で強くて、ヒナ大佐だって憧れの上司だ。
不満なんて一個もない。

だけどね、そうじゃないの。



「ヒナ大佐は勿論尊敬してる…けど私、スモーカー准将が好…」
「たしぎぃ!」



好きなの、そう言おうとしたところで聞こえた怒号。
たしぎちゃんはびっくりしてナイフやらフォークやら落としている。
声の主はドカドカと靴を鳴らして近づいてきた。



「スモーカー、准将…」



そう、その人はまさに話題となっていたスモーカー准将。
彼の眉間には深い皺が寄っている。



「お前は仕事ほったらかして何勝手にメシ食ってんだ!」
「仕事…?…あ、あぁ!書類!」



どうやら彼女は急ぎの仕事を忘れていたようだ。
…一緒にランチしてた私も罪悪感。

そうこうしてる間にたしぎちゃんは私に
「ごめんなさい***ちゃん!埋め合わせは今度必ず!」
と叫び、つまづきながら走って行った。







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