青い空、春島付近の穏やかな気候の下では何もしたくなくなる。
彼女も例外ではなく、甲板で空を眺めていた。



「***ー」
「ベポだぁー。どしたの?」
「コレ、一緒に食べよ?」



持ってきた袋を見せればパァッと明るくなる表情。



「それ、こないだの島で買ったお菓子だよね!」
「うん、***好きでしょ?」
「大好き!ベポありがとー!!」



満面の笑みにつられて笑う。
表情をコロコロ変える彼女はとても可愛い。

俺はそんな彼女が大好きで、とにかく困っているなら力になろうと決めていた。
きっと、***は今日もあの人のことで悩んでいるから。



「ねぇベポ?」
「うん」
「…キャプテンは、甘いもの嫌いだよねぇ…」



一緒に食べたいんだろうな、一緒に過ごしたいんだろうな。
ぼんやり海を眺める彼女を見て思う。



「多分、***が誘えばキャプテンは来るよ?」
「そうかなぁ…」



***は自信なさげに呟くけど、俺は知ってるんだ。
キャプテンは***が大事なんだって。

でも、それは俺の口から言うことじゃないことも知ってる。



「じゃあ、今誘えばいいよ」
「今、って…」
「ね、キャプテン」



立ち上がって少し下がる。



「え、キャプ、テン…?!」
「…あァ」



***は気付いてなかったけど、キャプテンも一緒に来たんだよ?
俺の影に隠れてたけど。

俺は2人が大好きだから、出来る限りは力になりたいんだ。
慌てる***と微笑むキャプテンを置いて、俺は船内へと足を進めた。




(…で、***は何をお望みなんだ?)
(え!えーとえーと、好きです!)
(?!…ククッ、俺もだよ)
(嘘?!)



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