*過去捏造



「キラーはカッコイイから、きっとモテるね」



そう、ポツリと呟いた***は淋しそうに笑っていた。



「…別に、お前以外に好かれたくはない」
「あは、嬉しいなぁ…」



擦り寄る彼女からは甘い匂いがする。



「でもね、キラーの意見関係なく女の人は寄ってくるよ」
「迷惑な話だな」
「きっと、すっごく綺麗な人も来て、いつかキラーもその人が好きになっちゃうの。そしたら…」



一旦そこで言葉を切った***はおれの胸に顔を埋め、ほんの少し震えた声で呟いた。



「そしたら、私はキラーとサヨナラしなきゃいけないよね…」



想像の話だ。

しかしそこまで自分を慕っているなんて、いじらしいと思う。
万が一にも、おれが***を捨てて他の女に走るなんてあり得ない。

それでも彼女を悲しませるのなら、こんなもの隠してしまえばいい。



「それじゃあマスクでも着けるかな」
「…そしたら女の人は寄って来ないよ?」
「それが目的だからな…おれには***が居てくれれば問題ない」



おれの言葉に、嬉しそうに笑う彼女を見て
やはり***には笑顔が一番だと思った。


(お前…何だそのマスクは)
(キッドか…いや、***の為にちょっとな)
((…他になかったのかよ…))

END



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