「……」
「……」



そして何故スモーカー准将は残ってるの?!

どうしたらいいか分からず内心パニックな私を余所に、准将はたしぎちゃんが居た椅子にドカッと腰を下ろした。



「スモーカー准将…?」
「悪かったな、メシの相手奪っちまって」



思いがけない言葉に固まると、准将は店員さんに注文していた。



「代わりにゃなんねぇが、おれで我慢してくれ」



なに、なに、この状況!
好きな人と思いがけずご飯とか!



「と、とんでもないです!ご一緒出来て、嬉しいです…!」



慌てて言えば、准将は目を丸くし、次の瞬間には微かに口元を緩めた。
微笑んだように見えた表情に私は一瞬見とれ、その原因となった自らの言動は必死すぎたかと恥ずかしくなる。



「いつも昼は一人か」
「え、あ、はい」
「明日から昼飯に行く時はおれの部屋に寄れ」



手持ち無沙汰を紛らわせるようにちまちまと巻いていたパスタから視線を上げる。



「その、なんだ…一人で食うよか誰かと食った方がいいだろ」



口元に手を当てそっぽ向く彼。
言われた言葉を理解し、どくんと一層胸が鳴った。



「あ、ありがとうございます!」



明日からのお昼は特別になる。
そんな予感がした。


(おい、たしぎ)
(はい!何でしょうスモーカーさん!)
(…女が喜ぶようなメシ屋ってのァどんなんだ)
(………え?!)


end.



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