名前は初い。
可愛らしいと思う。
手を繋ぐこと、口吸いすること、一つ一つ全てに照れ、全てに一生懸命なのだ。
あまりにも照れるから
無理するな、大丈夫だから
と言えば、大丈夫じゃない!と拗ねてしまった。
一つ一つが大事なのだと。
「仙蔵、大好きよ」
「私は、まぁまぁだな」
意地悪を言ってみれば、しょんぼりと項垂れる。
それが可愛くていじめたくなるのだがな…
嘘だ、私も名前が大好きなのだ。
そう本音を言うと全く、本当に嬉しそうに笑った。
「…私は、名前に愛されているな」
「もちろん!」
自信満々に言うのがまた可愛くて、そっと抱きしめた。
(私も、お前を愛しているよ)
(せせ、せ、仙蔵っ?!)
END