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15歳ってやっぱりいっぱい食べるんだろうか。
いやでも女の子だし。
女の子でも忍者なら身体を作る為に食べるかな?
けど15歳なんてお年頃だから少食?

あれこれ考えながらスーパーへと向かう。

化学調味料はあんまり良くないよね。
時代が時代だからそんなものないだろうし…
とりあえずスマホでレシピアプリをとろう。



「長ちゃん、嫌いな食べ物はある?」
「…特にない」



うーん、理想としては一汁三菜か?

悩みながら着いたスーパー。
やはり長ちゃんは珍しそうにキョロキョロしている。


今日は野菜安いなー。
あ、挽き肉安い!

よし、ハンバーグだ。
外れなさそうだし。
あとはサラダとスープと、付け合わせに野菜のソテーで大丈夫かな。

その他にも卵やら魚やら数日分をカゴに放り込む。



「長ちゃん何か食べたい物あるなら買おうか」
「……いや、大丈夫だ…」



大丈夫、と言いながら視線はさっきから桃にいってる。

本の時は容赦なかったくせに、ここは遠慮するのか…


赤みの強い桃色。
見るからに美味しそうだ。

まぁなかなかいいお値段だけど、驚く程でもない。
食べたいなら食べてもらおうじゃない!
ということで特に美味しそうな桃をカゴにイン。



「、あ…」
「美味しそうだよね!晩御飯の後に一緒食べよ!」



長ちゃんは困ったような顔をしたけど、私が笑って言うと嬉しそうに頷いてくれた。


会計を済ませエコバッグに詰め込むと、袋は二つになった。
そしてそれらを当然の如く両方持つ長ちゃん。
あまりにも自然過ぎてワンテンポ遅れた私は慌てて追いかける。



「長ちゃんっ!いいよ、持つ!病み上がりでしょ?!」
「世話になってる身だ…これくらい、」
「っじゃあせめて片方ずつ!」



近い方を奪おうとするが、遠ざけられたため空振り。



「この程度の重さなら軽い…それに、鍛錬代わりだと思えば丁度いい…」



ここまで来て鍛錬とか真面目さんか!
というより、明らかに気遣いだろうな。

でも、そんな気は遣ってほしくない。
どれくらいになるかは分からないけど、一緒に暮らすんだもん。



「…ちょっとずつでいいから、気遣わないで?」
「名前…?」
「心遣いはありがとう!でも…私は、長ちゃんと協力し合って生活したいな」



見上げると、何故かほんのり赤くなる長ちゃん。



「…分かった…じゃあ、片方頼む…」
「うん!」



長ちゃんは袋を差し出してきたけど、何故かわざわざ私から遠い方を渡してきた。



「…?…!」



直ぐには分からなかったが、軽い方を私に渡したみたい。

(長ちゃんって…優しいよなぁ…)


まだ短い付き合いなのに、長ちゃんの行動一つ一つから優しさが滲み出ている。
きっと、本当に優しい子なんだろうなぁ…



「長ちゃん、長ちゃん!」
「…?」
「大好き!」
「…っ!」



私は早くも、長ちゃんと出会えてよかったと思い始めていた。


(また…お前は…)
(大好きっ!)
(〜〜!)


next…









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