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いつも美味しいご飯を作ってくれるし、いつも優しくしてくれる。
そんな彼が生まれた日。
とても彼の腕には適わないけど気持ちは誰にも負けない、バースデーケーキ。
「キレイに出来たじゃない!」
「フフ、きっとコックさんも喜んでくれるわね」
ナミとロビンのお墨付きだからきっと大丈夫!
それでもドキドキしながらサンジくんを食堂に呼んだ。
「***ちゃーん!どうしたんだい、急に呼び出してー!」
メロリンしながらサンジくんが入ってくる。
「あ、あの、ね…」
「うん?」
「お誕生日、おめでとう!」
「へ、」
差し出したケーキをキョトンとした顔で見つめるサンジくん。
「サンジくんが作ったのに比べたら全然だけど…でも、一生懸命作ったの」
「これ…***ちゃんが…?」
「う、うん…」
「だから、今日キッチンに入るなって言ったのかい?」
「うん…ごめんね」
途端にサンジくんはヘニャヘニャと座り込んだ。
ケーキをテーブルに置き、私もしゃがんで彼を覗き込む。
と、彼は耳まで真っ赤にしていた。
「やべえ…クソ嬉しい…」
初めて見るサンジくんの照れてる姿はスゴく可愛い。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
「おれこそ…こんな素敵なプレゼントをありがとう」
なおも赤いサンジくんに可愛い、と言うと、
彼はガシガシと頭を掻いた。
「あー、クソッ」
「ひゃあ?!」
強い力で引き寄せられ、気付けば彼の腕の中。
煙草と彼の匂いに包まれ、ドキドキする。
「ほんと、こんな可愛いことして…」
「え?」
「おれ、これから本気でいくからね…?」
耳元で低く囁かれた言葉に、今度は私が真っ赤になる番だった。
(あ!サンジ!そのケーキ美味そうだなー!)
(離せクソゴム!テメーにゃ一口もやらん!)
end.
Happy Birthday!
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