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「最初にしちゃ上出来だ…」
「うぅ…」
「次は…」
「次?!」



一つじゃなかったのか…!
つい驚いてしまった。



「なんだよ、一つだけか?」
「いや…どうぞ、いくつでも!」



返答にキッドさんはとても楽しそうに笑い、そのごつごつした指で私の顎を上げた。


「お前だ」
「え?」
「俺の望みだよ。***、お前が欲しい」



まさかの望みに一瞬何を言われたか分からず
やっと理解したら顔に熱が集まる。



「俺の女になれ、***…拒否権はねぇがな」



拒否権なんて、いらない。
だってこの拒否する理由がないもの。



「はい…」



降ってくる口づけを受け入れ
射抜くような、熱の籠もった視線から目を逸らすように俯く。



「生まれてきてくれて、ありがとうございます…キッドさん」
「あぁ、ありがとよ」



キッドさんに出逢えて、本当によかった。


(ここ甲板なんだけどなぁ…)
(頭が機嫌いいならいんじゃね?)
(違いない)


end.
Happy birthday!



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