「マルコ隊長、血ぃください」
「おめぇは吸血鬼かよい」



船内で会ったかと思えば一言目には『血をくれ』と言われた。
俺の突っ込みに***は目を真ん丸にする。



「今の言葉で何故吸血鬼になるんですか!?」
「***こそ何であれだけで伝わると思ったんだい」



何故血が要るのか、と問えば彼女はあぁ!と納得がいったようだった。



「この前の敵襲で負傷者が多く出たじゃないですか」
「あぁ…そうだったねい」
「その時輸血用の血液大量に使ったんで、今皆さんに献血を呼び掛けてるんです」



そういうことか。
それならばと彼女について医務室へ向かう。

医療の技術においては完璧なクセに、コイツはどこか抜けている。
いつも主語は抜け落ちてるし、目が離せない奴なのだ。

そんな***に惚れているのも事実なのだが
如何せん、抜けている彼女に恋だの愛だのは伝わるのか…イマイチ不安なのである。



「さぁっ!そこのベッドに横になってください!」



活き活きしている***に苦笑する。
普通、ベッドのある空間に2人になればもう少しいい雰囲気に持っていけるのだが…
彼女にはやはり通用しないらしい。



「楽しそうだねい」
「そりゃあ、好きですからね!」



一瞬ドキッとするも、***のことだ。
『医療』が好きなんだろうと息を吐いた。




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