あぁあ…なんてこった…
気をつけようがないんだけど、自分の身体にはうんざりする。

ぐったりした状態でナースの御姉様方の部屋を出た。
さっき彼女たちから受け取った袋は軽い物しか入ってないのに、やたら重く感じる。



「よぅ」



前から声を掛けられ顔を上げると書類を手にしたマルコ隊長。



「あ、マルコ隊長…ご機嫌麗しゅう…」
「お前はちっともご機嫌麗しくなさそうだよい」



そりゃあそうでしょうとも。



「私は今、激しく落ち込んどるとです…」
「……どうしたんだよい?」



心配そうに顔を覗き込んでくるマルコ隊長。
かっこいい!



「胸が…」
「胸が?」


「おっきくなってしまったんです…!!」


「………」
「え、無言ですか?」



胸がおっきくなった。
私にとっちゃ大変な事件だ。



「いいんじゃねえかい?」



あっ!
そのどーでもいーんじゃね?的な眼差し!
いただけませんな!



「良くないです!」
「へぇ、」
「肩凝るし、戦闘で邪魔だし、欲しい服が胸でつっかえたりするし、下着買い替えなきゃだし!」



ふむ、隊長は頷く。
この持っている袋の中身もナースの皆さんに譲ってもらった下着。



「街歩けば変な奴らに絡まれるし、酒場じゃ酔った奴らに胸掴まれるし大変なんですよ!」



そこまで言うと、何故か隊長は固まった。



「絡まれるし…掴まれる…?」
「はい…サッチ隊長にも掴まれたことあるんですよー」



おふざけだろうけど、私としてはコンプレックスをいじられるのは気持ちのいいものではない。



「***」
「はい?」
「次から上陸する時は必ず俺に言え」
「ほ?」



マルコ隊長目が据わってるよ!
なんかオーラが怖い!



「サッチには俺から言っとくよい」
「あ、ありがとうございます」
「それから…」






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