「…で?書類に没頭して約束を忘れてた、と」
「…よい」



正座して縮こまる男性と、その前で仁王立ちの女性。
情けない姿の彼は、あろうことかかの白ひげ海賊団一番隊隊長、不死鳥マルコ。
そしてマルコを見下ろすのは彼の恋人、***。



「あのね、別に仕事をするなって訳じゃないの」
「よい…」
「しなきゃいけないことだし、特にマルコは仕事の量が多いし」



叱られるマルコの髪は、心なしかへにゃりと垂れて見えた。
場所は***の部屋であるため、他のクルーにこんな情けない姿を晒さないで済むのは唯一の救い。



「ただ、一言言ってくれればいいの」
「…すまなかったよい」
「次から出来る?」
「約束するよい」



ふぅ、と小さく溜め息をつき
***は立ち上がった。

マルコはそんな彼女をチラリと見上げる。



「***?」
「ほら、早く行くよ」
「よい?」
「マルコの部屋。書類終わってないんでしょ?手伝うから」
「でも悪いよい、」



約束をすっぽかした手前、手伝ってもらうのも悪いと慌てるマルコに***は振り返ってふわりと笑った。



「ただでとは言わない」
「え…」
「終わったらいっぱい甘やかして、ね?」



もちろんだよい!と叫ぶマルコに***は楽しそうに笑った。




(あ、アイツら仲直りしたんだな)
(マルコ、順調に尻に敷かれてんなァ…)



end.

Image:
Ouch!!/ポルノグラフィティ



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