「***」
「あ…マルコ…おはよ…」
ふにゃりと笑う***。
コイツのことを想っているのはもう認めてしまうとして
この状況についてハッキリさせなければいけない。
「***、昨日のことだが…」
俺が切り出せば、***からは笑顔が消えた。
「…うん、覚えてないんでしょ?」
「……」
「私がそうなるようにしたの」
親父でもふらつく程の強い酒を大量に飲ませ、正常な判断が出来なくなった俺を誘ったと。
「マルコが好きで仕方なかった…でも女と見られてないのは分かってたから…」
そう語る***の横顔は幼さなどすっかり抜けた、成熟した女性だった。
「一度だけって…そう思ったの…ごめんなさい」
違う。
こんな顔をさせたかったんじゃない。
こんなことを言わせたかったんじゃない。
「ありがとう」
「…っ違ぇよい!」
思わず怒鳴った。
「確かに、経緯は覚えてなかった。けど、意識がハッキリしてからも止めなかったのは俺だ」
もう、理性で抑えきれるほど軽い感情じゃなかった。
「そうしたのは…お前ぇが、***が好きだからだよい…」
言ってしまえば、胸にあったつっかえがなくなり軽くなった。
「う、そ…」
「嘘じゃねぇ、本当に…好きだよい」
「ほんと?信じていいの?」
「あぁ…頼む、信じてくれよい」
きっと、お互いがそうだったのだ。
愛しさの反面、この関係を壊したくない。
それさえ越えたら、
「マルコっ!大好き!」
こんなにも温かな宝物をこの腕に抱くことが叶う。
(じゃあマルコ…もっと、いっぱいして?)
(?!…かわいすぎるよい)
end.
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