なまえが布団を天日干ししていた。

俺の布団勝手に干さねーでくだせェブス、と悪態を吐いてみたものの、そんな俺の態度には慣れっこなようで何も聞かないフリをされた。
何だかこっちが軽く去なされているようで気にくわない。


まあそれは置いておくとして今、何故かなまえが俺の布団に潜り込んできている。

男の布団に潜入なんて笑えないでさァ、というか襲われたいのかこの女。いや誰が襲ってやるかってんだこんなぐうたら女。
そんな風に考えながら一日お天道様に当たった布団にくるまる俺。

なまえは「総悟の布団干したから自分の干すの忘れてたんだよだからいいでしょ」とか意味の分からない理由を口にしてからあろうことか俺を抱き枕代わりにしてきやがった。今はもう既に寝てやがらァ。


寝てるんだったら引っ剥がしても大丈夫だろうと彼女の体を無理矢理押しのけてみる。

…が、なまえの身体の作りがどういうモンなのかは知ったこっちゃねェが、取り敢えずコイツはくっつき虫の如くもう一度俺に縋り付いてきた。

くそ、剥がしても剥がしても捕まえてきやがる。
なんて図太い女だコイツは。


彼女を剥がすことは諦めて、仕方無く俺も眠ろうと目を閉じる。すると案外早く気持ちのよい眠気が襲ってきた。

おかしい。
季節柄、こんなにすんなりと眠れそうな日は殆どなくて、眠ろうとぎゅっと目を瞑って布団にくるまらなければ駄目なこの俺が、油断すれば今にも睡魔に負けそうだなんて。


微かに香る太陽匂いと、のしかかるように抱き付いてくるなまえの石鹸の匂いに鼻腔をくすぐられて何だか屋外にいる気分にさせられちまう。

少し抵抗はあったものの彼女の背中に手を回してみたら、なる程こいつァ丁度良い温度だ。


気持ちも暖かくなんのは気の所為か。
多分気の所為だろィ。
そうじゃなければアレだ、きっと天日干しにした布団の所為だ。
そうだ、そうに決まってまさァ。



∴なんだかんだで沖田は子供



(20120101)



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