「聞いたぜ後藤、結婚だって?」 「達海!お前にはまだ黙っておこうと思ってたのに、誰から聞いたんだ」 「え、普通に花嫁から」 「え?」 「すっげー幸せそうに自慢してきたぜ、あのバイト二号」 「…ったく、」 「で?式いつ?今月?」 「いや、来月の頭」 「3月か。もうほぼ春じゃん」 「まあな」 「年内結婚は流石に無理あったよなー」 「ああ、って何でそれも知ってんだよ」 「花嫁がベラベラ喋ってたぜ。後藤さんと年内結婚の夢がーでも幸せーとか言って」 「本当にあの子は…」 「でも良かったじゃん、これでお前もついに独身卒業だな」 「まあな、もうほぼ四十だけどな」 「あり?俺とお前って四つも違ったんだっけ?」 「ああ」 「そっか。じゃあお前バイト二号と何歳差?二十くらい?」 「十八だよ」 「うっわー、すげーな後藤、親子並みじゃん」 「気にしてる事言うな」 「へえ、気にしてんだ?」 「当たり前だろ。彼女は年齢的にまだまだこれからなんだし」 「でも二号はそんな事なさそうだったけどなー」 「まあ、あの子は結構盲目っぽいところがあるからなあ。…それより達海」 「ん?」 「二号ってなんだ」 「あー、アイツ俺がきてから二人目のバイトだからバイト二号。二号って呼んでる」 「え、普通に本人に?」 「当たり前だろ。知らねーの?」 「知らなかった、達海の話は結構するんだけどなぁ。」 「ああアイツ覚えは悪いけど、タマゴサンド作るのだけはうまいよ」 「お前はまたそんな事までやらせて…」 「いんだよ俺カントクだし」 「いや駄目だよ。今後は控えろよ」 「んだよそれ嫉妬?」 「嫉妬じゃなくて一般論だけどな」 「うっさいなー後藤、そんなんじゃスピーチやってやんねーぜ?」 「スピーチ?なんの?」 「結婚式の。親友代表で」 「は?…いや、お前に頼むのは些か不安なんだけど」 「えー」 「えーって、本当にやる気あんのか?」 「んー、あ、でも披露宴て料理出るんだっけ、じゃー無理だなやっぱ、ゴメン後藤」 「元々あんまり期待してないからいいよ」 「まーまー、二号とお前の末永い幸せだけは祈ってやるって」 「はいはい」 「子供は早くしねーとな、三人」 「三人って、そんないるか?」 「えーよくね?子供。んでデカくなったら全員漏れなくETUのスクール入る」 「いいけど全員男なんだな」 「あ、そっか女の場合もあるか。でも二号とお前のガキだろ?やっぱ女はないな」 「なんでだよ」 「なんとなく」 「……」 「ま、とにかく俺が言いたい事は一つだよ」 「?」 「結婚おめでとさん」 ************* 晴れてゴールインするらしいです。浮気しないか気が気でない後藤さんとかいいですね。 |