なんかもうホントやってられない。もうだめ。
「死んじゃうよー」
「じゃあ死ね」
「意地でも死なない」
「殺してやる」
「何だよーいじわる!」
ちょっとくらい死ぬなとか言ってくれてもいいんじゃないの。慰めてくれてもいいんじゃないの!
この世に俺の希望残してくれたっていいんじゃないの!!
「俺が死んだら泣くくせに」
「むしろ笑ってやるね」
「はい文貴ちゃん傷つきましたー。もう立ち直れませーん」
ちょっとくらい俺のために流す涙あるだろ!ないのか!
くっそう見向きもしないぞ阿部のおばか!分からず屋!くそ!
あっ、今こっちみた!
びびった。心の声漏れてたかと思って超びびった。
「一生野垂れ死んどけ」
「なに! あーあやっちゃった。知らないよ? そんなこと言って。俺のガラス細工のピュアハート完全に傷ついたからね。割れ物注意なめんな! もう遊びにきたってなんのおもてなしもしてあげないからね。無視してやるから!」
「知るかよ。つか誰が遊びに行くかっつの」
もっともなこと言いやがった!なんだよなんだよ!
「遊びにきてよ! じゃなきゃ寂しがり屋なうさぎさんが死んじゃう」
「どっちだよ。まじ疲れる」

まったくたまったもんじゃない。ホントは俺が死んだら泣くくせに強がっちゃってさー。
ホントは遊びに来てくれるんでしょ?
そう思えるから今俺堪えられる。誰にもこの希望の光は譲らない。
なくなったら俺いろんな穴から水が出る自信あるから。そんなの皆さんにお見せできないから。
「死にそうな理由くらい聞いてよ」
「聞くだけ時間の無駄だろ」
「そうだけど。いや違うもん! 無駄じゃない!! 寧ろこの時間にノーベル賞をあげてやってもいいくらいに!」
「なんだよ。つーかノーベル賞わかってねーだろ」
「………。悲しくて死にそう」
「でもお前もうすぐ別の理由で死ぬんだろ? お前どんだけ瀕死状態? 馬鹿だろお前」
この男は……さっきから人をばか扱いして!
もー怒った!いや今までも怒ってたけど本気を出すときがきた!
「ばかって言ったこと、取り消さないと痛い目にあうぞ!」
「例えばどんな?」
「毎晩ケータイにイタ電」
「着拒する」
「靴隠す!」
「お前の靴ぶっ壊してやる」
「………100円あげるますから引っかかってくださいお願いします」
なんで俺土下座してるんだろう。
もう別の理由で死にたくなってきた。こいつ悪魔だ。
俺を散々貶めたくせにめちゃくちゃ不適な笑みで笑ってやがる。Sだ。
俺別にMじゃないから全然快感じゃないんだけど。ただの苦痛でしかないんだけどー!

テストで悪い点とったことなんてちっぽけな悩みだと、広大な空や海を見たわけでもないのにそう思えた。
《俺なりのカウンセリング》


栄「阿部ーどうした? 顔疲れ切ってるぞ」
阿「相談のってたんだよ」
栄「へーぇ。偉いじゃん」
(でもきっとその人、違う悩みできたんだろうな……)

慣れないことはするもんじゃない。


2011/07/02 05:40 !
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