ああやって勢いで返事をしてしまった場合はどうしたらいいんだろうか。
解決策なんて恋愛に疎い私にはまったくと言っていいほど思い浮かばなくて悩み続けてしまう。

俺、本気ですから。…諦めたりしませんから覚悟しておいてくださいね?
宣言されたのは別に構わないし、嫌ではなかった。ただよく分からないだけ。
立向居の事は好き。だけどまだ恋愛対象として見ていなかったというかそんな感じ。

「率直に言えばラブかライクかの違いだと思います!」

ですよね?とそばにいた秋ちゃんと夏未さんにまるで念押しするように言う春奈ちゃん。
ラブかライクと聞かれれば私はなんて答えるんだろうか。
恋をしていて好きなのか、友達として好きなのかの違い…ちょうど今まさにその中間にいると言った感じだ。
微妙な距離も気になってしまえば、変に戸惑ったりもしてしまう。自分の思考さえよく把握できない。

「苗字先輩!」

立向居が大きく手を振って駆け寄ってくる。汚れたユニフォームを見れば今日も頑張ってたんだなんて一目瞭然。
ドキリと心臓が跳ねたかと思えばドクンドクンと鼓動を刻んでいく。
うっすらと頬が熱を帯びていくと全身が熱くなっていくような感覚が広がる。

理解したのは私は立向居に呼ばれたり、笑われたり、近くにいられるとドキドキするようになってしまった事だ。