「ロココって背高いよね」

「え、そうかな?」

だって代表の人たちと比べると大きかったもん。いいなぁ、背が高いの。そうテーブルに突っ伏しながら言う彼女に僕はどうしてと問いかけてみた。立ったままの僕を見つめた君は溜息交じりにぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。

「だって私みたいに小さいといろんなもの見渡せないしさ。うらやましくって」

ずるいなぁ、なんてむすくれている彼女を不覚にも可愛いと思った。ずるいのは君のほうだと思うよ、そうやって無意識のうちに僕を困惑させるんだもん、いつだってそうだ。

「うーん…僕はそのままの背でいいと思うんだけどな!」

「えっ、なん、うひゃぁあっ!?」

身軽で華奢な彼女の体を持ち上げると小さな悲鳴が聞こえる。ばたばたと慌てて両手を振る彼女の顔は真っ赤。

「こうやって僕が君を持ち上げて見せてあげれば問題ないよね?」

「そういう問題じゃなくってっ、」

恥ずかしいよロココってば!真っ赤な彼女は一生懸命下ろしてとせがむけれど彼女の照れてる顔が可愛くて下ろしたくない。「僕は逆に嬉しいから、まだこのままがいいな!」おどけてみせると君は抵抗するのをやめて、その代わり僕の目を手で覆い隠すのだ。

「ロココに、抱きあげられるなら悪くないかも…なぁ」


大きい、高い、小さい、低い。

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