朝、目が覚めて時計を目にして驚いた私はバタバタと支度。そうだ、今日からアメリカに行かなくちゃいけないんだった。雷門のみんなに無言で行くのには気が引けるけど一之瀬曰く、

「世界の舞台で会うほうが面白いだろ?」

とのことで。ああ、急いで行かないと土門に怒られちゃう。

「日本から出なくちゃいけないなんてなぁ…でも早く行きたいかも、アメリカ」

日本にいたい。日本代表として世界の舞台を見てみたい。だけどアメリカには彼がいる。今も彼は私を待ってはくれているだろうか。飛び立つ準備を急いで終えてそんな事を考える。会ったらどんな顔をしてくれるのかな、マークは。

マークに私がアメリカに行く事は言ってないらしい。(一之瀬と土門の計らいらしいけど)知っているのはマーク以外のアメリカメンバーだけらしいからきっとディランは隣でニヤニヤしてそう。思い浮かべてみると何だか面白くなってきちゃった。

アメリカに行けば、また一緒にいられる。ベンチにいるマネージャーであっても同じ舞台を見られる。世界の壁の分厚さはどんなものだろう。ううん、打ち砕ける。だってユニコーンだもの。私はそんな期待やら嬉しさを胸に秘めながら両親に言って家を飛び出す。

「行ってきます、世界に挑戦しに!」

世界への挑戦という名の口実にすぎないけど、私には口実が必要だから。


離れているからこそ、必要なの

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